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建通新聞社(中部)
2019/12/23

【愛知】愛知県大村知事 来春にもIR誘致是非判断

 愛知県の大村秀章知事は12月19日、中部国際空港島内東側(常滑市)の県有地約50fを対象に、IR(統合型リゾート)整備に関わる意見・提案をカジノ・オペレーターなど民間事業者から求めることを決めた。意見・提案募集は2020年3月末を期限としており、民間事業者の意向をヒアリングで把握した上で、来春にも県としてのIR誘致の是非判断を示す。
 愛知県では2017年度に有識者による「国際観光都市としての機能整備に関する研究会」を設置。県としてもIR誘致の検討を進めるべきという提言を受け、順次関連調査を実施してきた。18年度には国際観光都市の実現に向けたアイデアを募集したところ、国内外から約30社が提案。IRの提案も多く含まれていたようだ。こうした状況を踏まえ、県は中部国際空港島と対岸エリアを誘致候補地とし、調査研究を継続。大村知事は調査研究を推進する姿勢を示しながらも、国の法整備がなかなか進まないこともあって誘致の是非判断を留保してきた。
 ただ、18年7月には国の特定複合観光施設区域整備法(IR整備法=通称・カジノ法)が成立。その後、本年7月に観光庁に統合型リゾートの区域認定を所管する国際観光部が設置され、20年1月にはカジノ管理委員会(事業免許の審査、事業者の監督など)が設置されることがほぼ既定路線となった。
 また、IR整備法によると、区域認定数は上限3カ所と法定。21年1月から国がIR区域整備計画の申請を受け付け、21年8月以降、計画を認定(都道府県・政令市、IR事業者が決定)するスケジュールが見込まれている。
 これに向けて、IRを誘致したい都道府県・政令市は、20年には実施方針を策定し、IR事業者を選定した上で、事業者と共同でIR事業整備計画を策定し、国に申請する必要がある。また、同法では区域認定数見直し時期を、最初の認定から7年経過後と定めており、今回の認定に間に合わせたいなら県としての判断が急がれる状況だ。
 カジノ・オペレーターなどへの意見・提案募集では、基本コンセプト、市場分析、全体計画・施設計画、事業スケジュール、事業計画、事業効果、事業実施体制、懸念事項対策、地域の魅力を高める取り組みなどを求める。
 大村知事は、「IRは民間事業者の投資によって成り立つ事業」と認識。今後のヒアリング調査で事業者の意向を把握し、事業化の可能性を見極める構えだ。

提供:建通新聞社