県甲賀農業農村振興事務所田園振興課は、県営ため池等整備事業野洲川沿岸上流U地区として甲賀市土山町青土で土山導水路の補修工事を計画、年度内に補修工法を確定させ、来年度の工事着手に備え予算措置へと進めていく。
同課は、実施設計業務を内外エンジニアリング(京都市南区)に委託、年度末までに供用開始から60年以上経過している既存の水路トンネルのクラック測定や打音調査を含む現地踏査、現況施設の機能診断判定を行う空洞化調査を実施し、調査結果をもとに補修工法を確定する。工事は現在のところ単年度で行う考え。
工事内容は、延長339・6bの水路トンネルの補修。現況の荷重条件で既設トンネルの構造計算を行い、安全性の高い工事を行う。
同地区の用水路は、山腹と田園を縫うようにして山腹に築造されているため、山地の荒廃による流域からの出水が著しくなっていることから、流入水が水路側法面を崩壊させ、土圧と水圧により水路等の施設の脆弱化が施行していることから改修を計画。安定と安全性を確保するために構造的に不安定な開水路及びトンネル区間を改築し、その他は漏水を防ぐためにライニング工法で補修を実施してきた。
受益面積は、田が402・8f、受益戸数は546戸。用水施設は全体で用水路が19・2q、開水路が16・7q、トンネルが700b、管水路が1・8qとなっている。
総事業費は約9億円を見込み、既に6億円程度の工事を実施済み。残り3億円程度の工事を控えており、土山導水路の補修工事もその一つ。周辺の農地や農業施設の早期の安全性確保が期待される。
提供:滋賀産業新聞