名古屋市住宅都市局は、2050年度を目標年度とする市営住宅等アセットマネジメント実施方針案≠まとめた。304団地1350棟(約6万3000戸)の市営住宅ストックについて、50年度に目標管理戸数を5万5000戸とする方針だ。少子高齢化社会が到来し、都市計画マスタープランで集約連携型都市構造を目指す方針を取りまとめたことを受け、拠点市街地・駅そば市街地の団地と郊外市街地などに立地する団地とで今後の方針を分けて取り組むこととしたのが特長だ。20年2月上旬にもパブリックコメント手続きを開始し、同年3月下旬にも実施方針を策定・公表する予定。
計画期間は全体3期で、第1期(20〜30年度)、第2期(31〜40年度)、第3期(41〜50年度)に分けた。
拠点市街地・駅そば市街地の団地は、継続管理する団地として、安全性確保(耐震対策など)と福祉対応(エレベーター設置など)、居住性向上(浴室設備設置など)といった改善を継続して実施するとともに、維持管理を継続する。郊外市街地などに立地する団地は、住宅管理者が敷地を所有している住棟は当面維持管理とし、財源の範囲内で改善を行い、建て替える場合は周辺団地と再編する。
維持管理・改善の実施方針として、80年の目標耐用年数の確保に向け、計画修繕は▽外壁改修(約18年周期、3回程度)▽屋根防水改修(約24年周期、2回程度)▽屋内排水管(約30年周期、1回程度)▽屋内給水管(約35年周期、1回程度)▽エレベーター更新(約30年周期、2回程度)―をそれぞれ行う。改善における安全性確保の観点で実施する、外壁落下防止対策とバルコニー手摺り改修、エレベーター改修は、計画修繕に合わせて行う。改善の安全対策では、第1次緊急輸送道路の沿線に立地する住棟2棟は第1期期間内に耐震対策を実施する方針。また、居住性を向上させる敷地内環境整備(スロープ設置など)は完成後おおむね30年以上経過した団地を対象に行うとしている。
提供:建通新聞社