神奈川県は、県営電気の環境価値を活用して各種施策を進めることになった。企業庁の水力発電所の電気に環境価値を上乗せし、東京電力エナジーパートナー(以下、東電EP)が県内企業に販売。上乗せした環境価値相当額(収入見込み額)を、再生可能エネルギーの地産地消といった県の環境施策に充てることになる。県と企業庁、東電EPの3者は基本合意書を締結し、2020年4月以降の施策実施などを目指す。
事業の流れは、@東電EPが環境価値を上乗せした料金プランで県内企業に販売し、上乗せした環境価値相当額を企業庁に支払うA企業庁は環境価値相当額を電気事業会計から一般会計に繰り出す。県は基金への積み立てなどを行った上で環境施策を実施―となる。
販売電力量は、水力発電所電力のうち、常時供給が可能な年間最大約4000万`hを見込む。環境価値は1`hアワー当たり1円程度とするため、年間最大で約4000万円の収入を見込む。事業期間は20〜23年度の4年間。
県が取り組む事業は、▽気候変動・再生可能エネルギーに関する学習推進▽気候変動に関する情報収集・分析▽気候変動適応技術に関する調査・研究―など。
今後、基本合意書締結を経た20年2月に県が基金条例議案を提出。4月以降に基金条例の施行、電気の供給開始、環境施策事業の実施を予定している。
提供:建通新聞社