豊中市は、市の名神高速道路以南の庄内エリアなど南部地域についての活性化基本計画(素案)を公表した。2017年度に策定した南部地域活性化構想を踏まえたもので、整備を進める二つの小中一貫校や市民サービス拠点の供用後に集約された施設(跡地)の活用方針などを盛り込んだ。
南部地域における学校・公共施設の再編と跡地の利活用では、魅力ある学校づくり計画に基づいて6小学校と3中学校を統合し、小中一貫の「(仮称)庄内さくら学園」を庄内小学校(庄内幸町4ノ29ノ2)の敷地に、「(仮称)南校」を千成小学校(千成町2ノ2ノ65)他の敷地に整備する。
それに伴い、野田、島田両小学校と第十中学校の敷地は「(仮称)庄内さくら学園」が開校後の23年度以降に新たな活用が可能とし、「(仮称)南校」では庄内西、庄内南両小学校と第七中学校の敷地の活用について、南校の整備スケジュールが確定次第、検討を始める考えだ。
「(仮称)南部コラボセンター」については、第六中学校(庄内幸町4ノ29ノ1)の敷地の一部に建設する。集約対象となる庄内幸町図書館をはじめ5施設について同センター供用後の23年度以降に活用可能と示した。
また南部地域をICT技術を駆使したスマートシティとする方針で、19年8月の経営戦略方針に基づき南部地域全体を「ICTフィールド」と位置付け、防犯・防災、医療・福祉、産業分野などで実証的な取り組みを行う。
加えて、南部地域が新大阪駅から3・7`と至近であることを生かし、現在建設の進むリニア中央新幹線の全線開業を契機に、新大阪に近接する十三・淡路エリアを面的に連携させ、20〜30年先の将来を見据えた開発に沿ったイノベーション拠点としての役割を担うエリアを目指す。
南部地域は、1970年をピークに人口が減少し、住環境や防災性の向上などの課題を抱える。市はここを「豊中の玄関口」とし、公共施設の再編や新技術の活用で活性化策を展開し、ここで得られた成果を今後の市域全体の運営にも生かしたい考えだ。
提供:建通新聞社