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日刊建設工業新聞
2019/12/19

【鳥取】調査基準価格めぐり平行線/災害協定加点も持ち越し

 県建設業協会(山根敏樹会長)と県土整備部(草野愼一部長)は17日、建設工事に設定する調査基準価格をめぐり意見交換した。協会が調査基準の引き上げを求めたのに対し、県は全国トップレベルの設定率(予定価格のおおむね92%)と譲らず、議論は最後まで平行線をたどった。
 調査基準価格について協会は、建設技術センターに委託して工事原価の
実態を独自に調査。この結果、県が予定価格の86・4%としていた率を上回る93・4%となったことが分かり、あらためて調査基準の見直しを要求。併せて、社員教育や会社を継続させる経費に充てる一般管理費の引き上げを求めた。
 これに対し県は、平均落札率93・8%であれば多くの現場が赤字で受注していることになるとし、センターの調査結果を分析すると回答。また、調査基準の引き上げは「全国的に、鳥取県だけなぜ上げるのかとなる」と否定的な姿勢を崩さなかった。
 また、「災害協定」を締結する団体会員に加点(0・2点)する案では、県が年間を通じての加点となり、未加盟業者に一定配慮して決定したと説明。協会は「危険な場所に出る業者と、出ない業者の差が0・2点だけでは逆に不公平になる」と指摘した。
 加点幅に対する両者の溝は深く、会合後、県の担当は「来年度の適用は難しいかもしれない」と話した。
 このほか災害復旧工事の入札不調対策では、県が受注額減点の回避や、地域密着型の適用などを検討。協会は「何でも受注額を外すのはおかしい」と注文をつけ、平成最大の被害となった昨年7月豪雨クラスの災害など規模により対策を講じる方向性を確認した。

日刊建設工業新聞