新潟県建設業協会(植木義明会長)と北陸地方整備局との意見交換会が17日に開かれた。土日現場閉所の実現に向けた余裕期間制度の活用などをテーマに、建設業の将来について話し合った。
この日は協会から植木会長ら23人、整備局から吉岡幹夫局長ら11人が参加した。冒頭、あいさつに立った吉岡局長は「5日に3つの柱からなる経済対策がまとまった。自然災害からの復旧・復興と安全安心の確保、経済下振れリスクへの対応、東京オリンピックを見据えた経済活力維持向上の3つで、特に1番目に重点的に取り組む。補正予算、来年度当初予算、臨時特別措置などを活用しながら万全を尽くす」と語り、「建設業にとって働き方改革と担い手確保が一番の課題。パートナーとして、意見を聞きながら発注者としての責務を果たしていく」と呼び掛けた。植木会長は「週休2日に向けた問題点の抽出や、ICT導入に対する試行錯誤を進めているところ。5年先や10年先も建設業が地域でしっかり経営できるような先行きの明るい展望と事業量の確保をお願いしたい」と話した。
この日は4つのテーマで意見を交わした。土日現場閉所の実現に向けた適切な工期設定では、協会側が休日と悪天候により作業ができない日数を見込んだ工期算定係数である「雨休率」の見直しを要請。協会の調査によると「積雪降雪期などの施工に適さない時期が配慮されていない」との回答が多数あったという。また、余裕期間制度の活用に関し、契約後に長期間施工に取り掛かれない工事が多いと指摘。3カ月以上着手できなかった工事は余裕期間制度の未活用工事で114件中23件、活用工事で56件中9件あった。これらを踏まえ、協会側は適切な余裕期間の設定が有効であると強調し、積極的活用を呼び掛けた。この他、労務単価引き上げに対するスライド条項や監理技術者の専任義務見直しも話題に挙がった。