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北陸工業新聞社
2019/12/18

【石川】ケン・コーポが金沢で積極展開/尾張町HP=来年8月着工/兼見御亭跡=可能性を検討 

 ケン・コーポレーション(東京)は、金沢市内で既に事業展開しているアンティークホテルブランド「山楽」の「金沢白鳥路ホテル山楽」に続き、2つの開発プロジェクトを加速させ、兼六園や金沢城公園といった観光のメッカでドミナント(集中)戦略&シナジー(相乗)効果を高めていく構えだ。
 金沢市尾張町1丁目で計画の「(仮称)金沢尾張町ホテルプロジェクト」は、2020年8月初旬の着工を目指す。建設規模はRC造地下1階地上6階建て延べ1万5859・67平方メートル。客室数は223室を予定。客室は平均34平方メートルを超え、約67平方メートルのスイートルームを含む多彩なタイプを用意。設計は国建(沖縄県那覇市)が担当。完成は22年10月末で、23年初頭の開業を予定する。
 日本郵政グループの所有地(敷地面積4057・40平方メートル)をケン・コーポレーションが賃借し、建物を建設した後、プレミアホテルグループ(ケン不動産リース)が運営する。ホテルブランドは未定としているが、グループ内で「ヒルトン」や「ハイアット」などを展開しており、高級ブランドを想定しているとみられる。
 一方、同市東兼六町の料理店「兼見御亭」跡地開発については、現在、様々な角度から可能性を探っている。特別名勝兼六園に隣接する最高の立地だけに、その関心は高まるばかりだ。
 兼見御亭は1975(昭和50)年にオープン。既設建物は百万石通りからは2階建てに見えるが、実際はがけ地に建つため、7階建て(RC造・S造ルーフィング葺き)で延べ床面積は約1576平方メートル。敷地面積は約3300平方メートル。観光ニーズが少人数や家族、グループにシフトする中、そうした変化に対応できず、今年1月に閉店。その後、ケンコーポが土地と建物を取得した。
 金沢市内では北陸新幹線の開業から5年目に入った現在も観光需要が衰えをみせず、ホテル建設ラッシュが続く中、ケンコーポではインバウンドや北陸新幹線の敦賀や京都、大阪開業などを見据え、兼見御亭跡に「まだ方向性は出ていないが、いろんな可能性がある」(広報室)とし、金沢白鳥路ホテル山楽、同尾張町ホテルプロジェクトを踏まえ、国内外のニーズに応えながら、3件目の開発案件として今後の具体化に意欲を示している。

hokuriku