我孫子市は17日、新廃棄物処理施設(新焼却施設)整備運営事業の総合評価一般競争入札で、日立造船を代表企業とする「みどりグループ」を落札者に決定したことを公表した。入札予定価格245億7000万円に対し、落札金額は178億円(いずれも消費税を除く)だった。市が資金を調達し、設計・施工・運営を一括して民間に委託するDBO方式で実施する。年明け2月上旬に仮契約、同中旬に本契約を結ぶ予定。
入札参加者は2グループ。落札者のみどりグループは、日立造船(東京本社)を代表企業、りんかい日産建設(千葉営業所)とHitz環境サービスを構成員とし、協力企業として上村建設工業、野田電機、市川環境エンジニアリングが参加。
予定価格245億7000万円(施設整備費143億6000万円、運営費102億1000万円)に対し、みどりグループの落札金額は178億円(施設整備費106億円、運営費72億円)で、価格審査点46・85点、非価格要素審査点36・66点を合わせた総合評価点は83・51点だった。低入札調査基準価格の196億5600万円(施設整備費114億8800万円、運営費81億6800万円)を下回ったものの、調査の結果、特に問題なしとされた。
もう一方の「あおグループ」は、神鋼環境ソリューションを代表企業、神鋼環境メンテナンスを構成員とし、協力企業として立沢建設と東日本ガスが参加。入札金額は166億7872万5000円で価格審査点50・00点を獲得し、みどりグループを上回ったものの、非価格要素審査点は31・37点にとどまり、総合評価点は81・37点という結果になった。
事業用地は同市中峠2264及び2274の市街化調整区域(建ぺい率60%、容積率200%)で、事業用地約3万300u、工事用地約9000u。処理対象物を受け入れて焼却処理を行い、処理の過程で発生する熱エネルギーの有効活用を図る、高効率の発電設備を備えたエネルギー回収型廃棄物処理施設として計画。年間計画処理量は2万7206t/年。
処理方式は全連続運転ストーカ式焼却炉、施設規模は120t/日(60t/日×2炉)、燃焼ガス焼却方式は廃熱ボイラ方式、余熱利用計画は場内プラント関係余熱利用設備(発電利用)及び場内余熱利用設備、煙突は高さ59mで設置。
また、建設場所は利根川が氾濫した場合、浸水深5m以上となる可能性があるため、この対策としてランプウェイ方式を採用し、プラットホーム、灰ピットは浸水位以上に設置するとともに、電気室・中央制御室・非常用発電機・タービン発電機等の主要機器及び制御盤、電動機などは2階以上に配置する計画。
事業期間は、建設期間が契約締結から2023年3月末まで。運営期間が23年4月1日(稼働開始)から43年3月31日までの20年間。落札者は速やかに特別目的会社を設立し、運営業務を行うために必要な許認可を取得する。
現在のクリーンセンター及び粗大ごみ処理施設は、ともに稼働から40年以上を経過し、老朽化のため故障リスクが高まり維持管理費も増大している。このため市は、第1期整備事業として22年度末までに新廃棄物処理施設(新焼却施設)を整備し、その後、第2期整備事業として25年度末までにリサイクルセンターを整備する計画。
環境影響評価業務(16〜19年度)、施設詳細配置計画、PFI導入可能性調査、整備運営事業の事業者選定支援業務とも、国際航業がコンサルタント業務を担当している。