滋賀県農政水産部農村振興課は、「雄琴・上仰木地域地すべり防止施設長寿命化計画」について、年度内に同計画を策定(コンサル担当は、キタイ設計)。来年度(令和2年度)から29年度(令和11年度)の10年間で前期、中期、後期と優先順位を付けていき、対象65ヵ所の施設の長寿命化対策を実施していく。
雄琴・上仰木地域は、「地すべり等防止法」に基づき地すべりが発生する危険が極めて大きい地域として、雄琴は60年(昭和35年)に指定面積336・21f、上仰木は64年(昭和39年)に指定面積64・34fを当時の農林水産大臣から区域指定を受けた。それにより、県は早急に「地すべり防止工事基本計画」を策定し、地下水および地表水の排除と局所的な崩壊の恐れがある箇所には、抑止杭、擁壁、法枠などにより、地盤・法面を安定させ、地すべり区域の保全を図るなど計274ヵ所の対策を実施してきた。しかし、施設設置から数十年が経ち経年変化による集水井の腐食や集排水管の閉塞など、近年では機能低下が顕在化しており機能診断結果を踏まえた計画的な施設長寿命化対策が必要となった。それに伴い県は、「雄琴・上仰木地域地すべり防止施設長寿命化計画」の策定を進めている。
また、今回の長寿命化は、地すべりの要因となる地下水、地表水等の排除を目的とする抑制工(水抜きボーリング工、集水井工、押え盛土工等)と地すべりの活動を直接的に抑止することを目的とする抑止工(抑止杭工、シャフト工、アンカー工等)―などの構造物が対象。
なお、所管である農村振興課は、20年1月に行われる地すべり検討委員会で有識者からのアドバイスをなどをもらい、同計画にそれらを取り込んでいきたいとしている。
提供:滋賀産業新聞