国土交通省四国地方整備局は12月10日、高松サンポート合同庁舎で第1回「工事関係書類等の適正化検討WG」を開き、工事関係書類適正化指針に係るアンケート結果と四国地整の対応案などについて意見を交換した=写真。今後、適正化指針対応案などに対する加筆・修正意見を2020年1月末まで集計し、20年春頃に、これを反映した指針改定案を公表する。
検討WGには管内の直轄工事等の経験を持つ監理技術者、工事監督支援業務を経験した技術員と四国地整の技術管理業務を担当する職員ら約20人が出席。
山田敬二技術調整管理官は働き方改革関連法や新担い手3法の施行により働き方改革の取り組みが加速していることを背景に、「4月から工事関係書類等の適正化指針を本格導入している。効果検証のためのアンケート結果によると、適正化指針による業務改善効果は十分でない。周知だけでなく浸透できない理由などを調査・検討し、負担軽減対策につなげる」とあいさつした。
受・発注者、支援業務3者に対する工事関係書類適正化指針アンケート結果によると、対象工事件数480件で339人が回答。適正化指針や内容の認知度は90%程度でおおむね認知。しかし、業務改善効果は全体で約4割感じているものの、いまだに約6割の改善効果が見られないとする実態が明らかになった。
また、アンケートでは工事関係書類等の適正化指針(案)に121件、土木工事書類作成マニュアルで88件、自由意見で198件の計407件の意見提出があり、主に▽協議書(協議指示等)▽発注内容・設計照査▽施工計画・施工管理体制▽完成図書▽監督体制・情報共有―に関するものが多かった。
意見交換では「概算発注による契約後の指示をしっかりしてほしい」「設計が完了していないのであれば受注者を含めて設計を進めるようにしてほしい」「目安箱を利用する場合に会社名などを記入すると意見が出しづらい」などの指摘があった。適正化指針の対応案では施工時期の平準化に伴う余裕工期設定の対応や、「目安箱」への団体名記入による意見提出方法も挙がったという。
提供:建通新聞社