さぬき市は、大串半島活性化基本構想の素案を公表した。引き続き大串半島活性化基本構想審査特別委員会で検討し、承認されれば本年度内にも基本構想案をまとめる見通し。早ければ2020年度の第1期にも基本設計に着手する。閉鎖した大串温泉とグリーンヒル大串の跡地利用を中心に、新たな魅力発信拠点となる施設を整備する。
コンセプトは、@半島の自然と人工物の調和・共生A芝生広場に新たな付加価値を提供B半島の中心部と、点在する観光資源との結節点の構築―の三つを基本とし、芝生広場エリアを中心に七つのエリアを3期に分け整備する。大串半島の自然と瀬戸内海が眺望できる景観を主、来訪者の移動、滞在を促す構築物を従とし、建築を通じた新たな観光ルートの構築や、さぬきワイナリーを活用した交流の場づくりを行う。
素案は宿泊施設の規模や建設時期について異なる3案。このうち、大山市長は第3期で宿泊棟を整備する案を基本として検討する方針を示している。
第1期(20〜23年度)は、▽芝生広場エリア―カフェやケータリングによる食事提供機能の他、ワイン販売スペース、小規模なイベントが可能な空間を有した飲食施設を建設、南側隣接駐車場にある公衆トイレを改修する。飲食施設の設計・監理は、素案を担当した堀部安嗣建築設計事務所(東京都新宿区)が担当。
▽さぬきワイナリー―物産センターは物産機能を飲食施設内に移転し倉庫として活用
第2期(24〜26年度)は、▽斜面のアプローチ―庵治石を階段状に使用したアプローチを整備▽野外音楽広場テアトロン―アーティストの記念品などを展示し、ファンが集まる仕組みづくりを構築▽シーサイドコリドール―コテージ4棟の和室を洋室に改修、コテージ棟の新規建設▽児童館・テニスコートエリア―小規模な体験型施設、ドッグラン施設、駐車場を整備
第3期(27〜29年度)は、▽芝生広場エリア―第1期に建設した飲食施設と連動した宿泊棟を増築▽海釣り公園―石の波止場を生かし、瀬戸内海のクルーズ船「guntu」などと連携が図れる港を整備
各期の計画について、実施前に効果検証を行い利用者の需要を考慮した上で事業を進める。
提供:建通新聞社