名古屋市住宅都市局は12月10日、名古屋駅前の再整備で、西側駅前エリアについて駅前広場と隣接エリアを含めた開発を指向していく方針を明らかにした。リニア中央新幹線開業前と開業後にタイムゾーンを分け、開業時までに平面レベルの限られた空間の中で交通結節機能と空間形成の確保を行い、開業後の早期に駅前広場と隣接エリアを含めた区域で開発を進めていく考えだ。
西側エリアの目指す姿として、交通機能の高度化と将来を見据えた西側エリアのまちづくりと連携した重層的な拠点の形成≠示した。隣接エリアや地下空間の活用を含めて高速バス・観光バス乗降場の配置を検討する。タクシー・一般車は分離配置を検討する。西側のまちづくりとの連携では▽民間事業者と連携し、ターミナル駅にふさわしい新たな都市機能の導入▽民間事業者が参画しやすいスキーム▽駅前広場と建築物の一体的な空間活用(隣接エリア・地下空間の活用を含む)▽顔づくり≠ナ新たな魅力の創出▽駅前広場とリニア駅上部空間広場との回遊性の創出―を検討することを示した。
リニア開業時の姿にはリニア中央新幹線開業を迎えるにあたり必要な交通機能の確保と空間形成≠目指すとしている。リニア開業時は、既存の地下街と地下駐車場は現状の利用を基本とする。交通機能は、利用者の安全性を高めた高速バス・観光バス乗降場を隣接エリアの活用を含めて効率的な配置を検討するとした他、タクシーと一般車スペースの分離配置を検討するとした。空間形成では、駅前広場中央部分に広場を配置する他、広場部の顔づくり≠検討するとしている。
現在、西側エリアには高速バス・観光バスのターミナルが3カ所に分散している他、週末などを中心に観光バスなどが列をなし、駅周辺地区の渋滞要因にもなっている。本年度の検討で、待合環境に優れた利用しやすいバス乗降場の配置は、隣接エリアを含めて配置した方が効率的に配置できることを確認。地下を含む再整備を行う場合、長期間の大規模工事になることを踏まえ、リニア開業時とその後にタイムテーブルを分けて整備を進めていくことにしたとみられる。
20年度以降は、開業時の姿と将来的に目指す姿の実現に向けた準備を並行的に進めていく考え。開業時の姿実現に向けては、20年度以降に設計・工事が先行することとなる。将来的に目指す姿の実現は、民間事業者と空間活用などについて検討、都市計画手続きを経て、27年ごろまでに設計・工事に着手するスケジュール感を見込む。
提供:建通新聞社