県印旛土木事務所は、主要地方道鎌ケ谷本埜線バイパスの整備を進めている。本年度は事業費14億1740万円を投入する計画で、2021年度の供用に向けて事業を推進。本年度は、旧長門川橋架け替え工事を発注する。事業費に債務負担行為を設定。年度内に契約し、来年度の着工を予定している。事業の進捗については全体事業費75億900万円に対し昨年度末までに53億1990万円(70・8%)を投入。本年度の事業費と合わせると89・7%となる。
同バイパスでは旧長門橋、豊年橋、物木落とし橋の3橋が計画され、物木落とし橋が完成している。
旧長門川橋は、旧長門川に架設されており、バイパスの整備に併せて架け換える。橋梁形式はボックス。規模は橋長約50m、幅員約15m(両側歩道)。詳細設計はオリエンタルコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新田町5―10)が担当。
また、豊年橋の床版工を発注し、村樫建設工業が10月23日の入札で予定価格と同額の1億7200万円(消費税抜き)で落札した。
豊年橋は、長門川に架かっており、バイパスの整備に併せて架け換える。架設場所は印旛郡栄町安食地先。規模は橋長105m、幅員11m。上部工は鋼3径間連続少数鈑桁橋で、宮地エンジニアリングが施工した。
鎌ケ谷本埜線は鎌ケ谷市初富地先を起点に、国道464号の一部を重複し、印西市安食卜杭を終点とする延長約31qの幹線道路。千葉ニュータウンと成田空港を結ぶ幹線道路として位置付けられている。このうち同バイパスは、国道464号の印西市萩原地先を起点に、成田安食線の栄町安食地先を終点とする延長約4・5q。
事業は1996年度に用地買収に着手し、98年度の着工。21年度の供用開始を目指している。
同区間の現道部は、幅員が狭く、急カーブ区間も連続し、車同士のすれ違いが困難な状況にある。救急搬送時は患者への負担軽減から市道を迂回している。また、栄町の矢口工業団地から東京近郊への輸送にあたっては国道356号を利用されているが、国が定めている主要渋滞箇所3か所を通過することとなり、物流の効率化の妨げとなっている。
同バイパスを整備することで、走りやすい道路となり、歩車道分離による歩行者の安全性も向上。災害時等の救援・救助活動でも円滑で迅速な移動が可能となるため、地域防災力の強化が期待される。