神奈川県は、2020〜24年度を期間とする「三浦半島魅力最大化プロジェクト」の改定素案をまとめた。湘南国際村の活性化、新たな観光資源の発掘、“みなと”のにぎわいづくりなど14の個別プロジェクトについて、それぞれの取り組み内容・主体を示したもの。湘南国際村BC地区の利活用、城ケ島西部地区の再整備などについては、県と市町、民間で取り組むとしている。パブリックコメント、県議会への報告などを経て、20年3月に改定する。
対象地域は、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町の4市1町。地域のにぎわいや仕事を創出することで、人口減少を食い止めるとしている。18年を基準に、4市1町の社会増減数をプラス630人とすることを目標値(24年)とした。また、KPI(重要業績評価指標)として、観光客消費額1280億円、入込観光客数3770万人などを設定している。
個別プロジェクトのうち、湘南国際村の活性化については、BC地区約114fの利活用を進める。民間活力を活用しながら、自然環境を生かした芸術、スポーツ、レクリエーション機能を強化するもの。県はこれまでサウンディング調査などを実施しており、20年度に事業者を公募する見込み。
新たな観光資源の発掘に向けては、城ケ島西部地区景観整備や二町谷地区の高級リゾート計画など、民間資本と連携した動きを推進していく。この他、消費単価の高いMICE(国際会議など)誘致や、小網代の森の保全・活用といった取り組みを想定している。
“みなと”のにぎわいづくりに向けては、港湾整備などを進めていく。葉山港では、港湾管理者と民間事業者との連携スキームについて他港の事例を調査した上で、大型船受け入れや基地港としての整備を進めるべく、施設配置計画や課題検討を進める方針だ。三崎漁港二町谷地区開発促進も実施事業として盛り込んだ。
この他、企業誘致にも力を注ぐ。11月にスタートした県の新施策「セレクト神奈川NEXT」を通じて支援を拡充・強化し、地域の活性化と雇用の創出を目指す。
また、これらのプロジェクトを推進する基盤づくりとして、交通ネットワークの整備を進めるとした。三浦半島へのアクセスを向上させるため、海上交通ルートの開拓や、道路ネットワークの整備(自動車専用道路、インターチェンジ・観光地にアクセスする道路)に取り組む。
提供:建通新聞社