山陰道と山陰近畿自動車道を結ぶ南北線(鳥取豊岡宮津自動車道・鳥取―福部)について国交省の小委員会(委員長・藤原章正広島大学大学院教授)は5日、鳥取西ICから北上し国道9号鳥取バイパス・覚寺ICにつなぐルートを全線バイパス案とする対応案を了承した。今後、都市計画決定に向けて詳細ルートが検討される。
国交省は昨年11月、ルート帯3案を小委員会に提示し、これまで住民アンケートなどを実施して3案を比較評価していた。この結果、地域ニーズが高かった交通渋滞や事故の回避、災害時の代替性などに優れた全線バイパス案が適当と判断し、今回の小委員会に示した。
全線バイパス案は、起点の山陰道鳥取西ICから北上して千代水地区と国道9号を横断。その後、鳥取港手前から千代川を渡って県立中央病院北側を通過して国道9号覚寺ICに合流する。覚寺ICからは現道の鳥取バイパスを経由して福部ICに接続する。事業費600億円〜650億円。
併せてルート上には▽国体道路交差部▽千代水地区▽鳥取港手前▽中央病院北側▽国道9号バイパス覚寺―の5カ所にICの配置を計画。鳥取空港や鳥取港、中央病院といった主要施設、中心市街地へのアクセスといった利便性に配慮する。
小委員会で概略計画がまとまったことで、国交省は今後、対応方針を決定して計画段階評価手続きを完了。引き続き詳細なルート構造を検討し、県が都市計画決定などの手続きに入る。
ルート帯の決定に、平井伸治知事は「山陰近畿道の大動脈の実現に向けた大きな一歩。都市計画手続きを含め早期の事業化に力を尽くしていく」とコメントを出した。
日刊建設工業新聞