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建通新聞社(中部)
2019/12/09

【愛知】名古屋市 複数年業務と指定管理にスライド条項

 名古屋市は、複数年にわたる長期継続委託契約と指定管理者制度についてスライド条項制度を導入する。委託契約は、建物清掃・建物警備など5業種が対象。委託契約は、2020年1月1日以降に入札公告を行い、20年度に履行期間が始まる案件に適用する。指定管理者制度は、20年度に指定管理者の選定を行い、21年度から次期指定期間が始まる施設に導入する。
 委託契約の対象契約は、履行期間が1年を超える委託契約のうち、直接人件費の割合が高く、人件費単価が低い契約で、建物清掃、建物警備(機械警備を除く)、事務関連、給食・施設の運営・管理の5業種。対象契約は200件程度あり、契約期間は3〜5年間。財政局によると各担当部局が直接契約手続きを結んでおり、詳細な件数・期間までは把握していないとしているが、3年契約の案件が多いとみられる。20年度に履行期間が始まる案件は数十件はありそうだ。
 業務委託での変更金額は、履行開始日から12カ月経過後に、「直接人件費(未履行分)に最低賃金変動率を乗じて変動額を算出し、請求者負担分として契約金額(未履行分)の1%を差し引いた額」とする。1%は国の指針に合わせて設定した。
 指定管理者制度の導入施設は、公園や駐車場、スポーツ施設、図書館など578施設(19年4月1日時点)がある。このうち、20年度に指定管理者の選定を行うのは35施設ある。
 指定管理料の変更に当たって、委託契約と異なるのは、正社員・嘱託社員など月給制を採用している職員とパート・アルバイトなど時給制を採用している職員の適用指標を分けて変動額を算出する点。月給制の職員は、市人事委員会が公表する民間給与実態調査を指標に適用する。時給制を適用する職員は最低賃金が適用指標。「直接人件費のうち、賃金水準の変動により影響を受けるものに、それぞれの適用指標の変動率を乗じて増減額を算出し、指定管理初年度の人件費の1%を差し引いた額」とする。市の民間給与実態調査によると、18年度と19年度を比べると賃金は0・9%上昇している。
 政府の働き方改革実行計画(17年3月)によると、最低賃金は年率3%程度をめどとして、名目GDPの成長率に配慮しつつ、全国加重平均で1000円を目指す方針。19年10月時点の愛知県の最低賃金は926円(前回は898円)で、全国加重平均額は901円(同874円)。

提供:建通新聞社