京都府の西脇隆俊知事は5日、12月議会の代表質問において、旧総合資料館跡地の活用について考えを述べた。
西脇知事は「このほど策定した京都府総合計画に盛り込んだ『北山「文化と憩い」の交流構想』については、京都学・歴彩館に機能移転した旧総合資料館跡地の活用、大学体育館の建替え、植物園の魅力向上など、北山エリア整備のセカンドステージと位置付けている」「その中で旧総合資料館跡地は、平成27年から29年の間で京都市内の小劇場が5施設減少している状況や府立文化芸術会館など既存文化施設の老朽化に伴う機能の継承の必要性を背景に、劇場を中心に創作ホール、展示空間、練習場や賑わい交流機能を集積させた施設の整備を構想している」「近年、民間主導で新たな小劇場開設の動きがある中で、新たに整備する施設がこれらと競合するのではなく、施設の規模や役割で機能分担し、互いに連携・交流することにより相乗効果を発揮しながら、京都全体が文化芸術の創造・発信の場となることが重要と考えている」「そのためメインとなるホールは、舞台と観客の一体感など文化芸術会館のホールの優れた部分を継承するとともに、民間の小劇場では整備が難しいスタジオなど創作活動のための空間を集積させたい」「これまでの固定概念にとらわれることなく、舞台芸術、視覚芸術の枠を超え、例えばスポーツイベントやファッションショーなど多用途に活用できる空間を備えた施設としたいと考えている」「今後、実際に舞台芸術、視覚芸術、施設運営に携わる方々などを交えたワークショップやシンポジウムの開催など、専門的な視点から意見交換できる機会を設け、幅広い意見を聞きながら検討を進めたい。北山エリアを多様な人々が集まり、滞在し交流する、京都にふさわしい、他に類を見ない文化と憩いに包まれた交流エリアにしたい」と述べた。
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新総合計画の『北山「文化と憩い」の交流構想』によると、旧総合資料館跡地を活用したシアターコンプレックスのほか、府立医科大学、府立大学、京都工芸繊維大学の共用体育館機能を有したアリーナの整備検討、府立植物園100周年未来構想(▽ビジターセンター、ショップ、カフェ等を備えた複合的な正門エントランスの整備▽ゾーン内に立地する各施設との垣根のない連携)等に取り組む。