静岡市は、11月定例会で現在の清水庁舎の解体費用について考えを明らかにした。
建物基礎から地上部分の躯体を解体する費用の試算結果は、約7億2000万円(税抜き)。今後の土地の利活用に際し、参考のために徴集した見積もりでは、仮に基礎杭の全てを撤去する工法をとった場合は29億円(税抜き)と説明。
ただ、現在のところ、建物基礎から地上部分の躯体までを基本とする考えに変わりはなく、試算結果が増えているわけではないと強調した。
建築物解体時の既存杭の一般的な取り扱いでは、公共建築物を解体し、民間に所有権を移転する場合、競争入札によるときは原則、上部構造物を含め既存杭を撤去し、更地にする。しかし、移転の相手が確定している時は、協議によって既存杭を残すこともあるとも説明した。
現清水庁舎の基礎杭は、直径1b〜2bの現場打ちコンクリート杭を133本設置してある。長さは、高層棟の基礎下が約15b、低層棟の基礎下が約25b。間隔は南北方向が約7b、東西方向が約6b。
経年変化によるコンクリートの強度や劣化状況などを確認する現況調査はしていない。また、旧清水庁舎が建設されていた現在の第一駐車場敷地については、旧庁舎の基礎杭の有無は、建設時の杭に関する資料がないことや、地中埋設物の調査をしていないため、基礎杭の有無は把握していない。
清水庁舎移転新築後の現庁舎敷地には、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が桜ケ丘病院の移転新築を表明している。
市は、現清水庁舎の敷地内に基礎杭が埋設されていることは、JCHOと共有していると説明。しかし、病院規模や建物の配置計画が決まっていない現段階では、基礎杭の再利用に関する調査や解体費用の負担、スケジュールなどの具体的な内容に関する協議は進んでいない。
現庁舎の所在地は清水区旭町6ノ8。敷地7680平方b、規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上9階建てPH2階付き延べ2万3345平方b。1983年に完成した。
提供:建通新聞社
(2019/12/6)
建通新聞社 静岡支社