国土交通省関東地方整備局は、日本建設業連合会の「労務費見積り尊重宣言」に基づき下請代金の適切な支払いに取り組んでいる企業に対し、総合評価や工事成績評定で加点措置を行うモデル工事を全国に先駆けて試行する。12月3日付で局内の関係課長、事務所長に運用を通知した。同日以降にWTO政府調達協定の対象となる一般競争入札を公告する一般土木工事のうち段階的選抜方式の案件で適用していく。2019年度内に複数件の工事で試行したい考えだ。
労務費見積り尊重宣言は日建連が18年に打ち出した、建設技能者の賃金引き上げを後押しする取り組み。宣言企業は、1次下請け企業への見積もり依頼に際し、法定福利費に加えて労務賃金の内訳明示を求め、見積書に沿った代金の支払いを行う。
モデル工事では@入札契約手続きの審査基準日までに「労務費見積り尊重宣言」を決定し、ホームページやSNSなどで公表した事実を確認できる資料A労務費を内訳明示する旨を記した誓約書―を提出した企業に対し、総合評価で1点を加点する。
さらに、工事完成検査に際し、下請け金額3500万円以上の1次下請けを対象に元下間の見積書を数社抽出して確認。労務費が内訳明示されていない場合、総合評価で加点された企業については工事成績評定を3点減点する。
見積書に加え、注文書で労務費の内訳明示が確認できれば、工事成績評定で2点加点する。総合評価時に加点対象となっていなくても、工事完了検査時に宣言企業であることを確認できれば、成績評定での加点対象となる。
経常JVの場合は全ての構成員、特定JVの場合は代表者が宣言企業であることを確認する。
提供:建通新聞社