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建通新聞社四国
2019/12/03

【香川】新香川県立体育館 基本設計概要まとまる

 2021年1月29日までの設計期間でSANAA事務所で進めている新香川県立体育館基本設計・実施設計業務のうち、基本設計の概要がまとまった。県は同事務所からの報告を受けて基本設計の検査に入るとともに、11月28日に県議会「県立体育館整備等に関わる特別委員会」に報告した。特別委員会には別途山下PMCで進めてきた基本設計段階のコンストラクション・マネジメント(CM)業務についても報告。基本設計段階ではコストは基本計画の範囲内にあり妥当としたものの、実施設計段階ではより慎重な設計と積算を求めた。
 新県立体育館は高松市サンポート5他の敷地3万1337平方bに、鉄骨造、鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ3万0019平方b(観客席レベル3693平方b、交流エリアレベル7606平方b・軒下2301平方bを除く、アリーナレベル1万8720平方b・東駐車場を含む)、建築面積2万0461平方b規模の施設を建設する。メインアリーナ(固定席5024席)、サブアリーナ(固定席1032席)、武道施設兼多目的ルーム(固定席315席)で構成する。基礎形式は杭基礎。工期は32カ月程度を見込み、21〜23年度で建設工事を進める予定。
 建設工事費(税込み)は▽建築工事費122億4000万円▽電気設備工事19億円▽機械、衛生設備工事29億5200万円の計170億9300万円。また、別途県が発注するWi−Fi、警備設備設置工事費など2億円を加えると172億9300万円となり、基本計画で示された建設工事費170億円に物価上昇分の3億円を加えた範囲内であるとしている。
 一方、新たに支持層変更による杭打設増額分は8億9300万円でこれらを加えると、総計181億8600万円となり、基本計画で算出した建設工事費170〜190億円(設計費、調査費、工事監理費、インフラ整備費、道路上デッキ整備費などを除く)内に収まる。
 基本設計によると、新県立体育館は▽さまざまな用途に利用できる多目的アリーナ▽最大収容人数は中四国最大級の1万人▽観客席上部に壁を設けないことによる交流エリアを設けた新しい発想のアリーナ▽サンポートの環境に調和した、利用しやすい施設―などが特徴。
 正円ドーム形状のメインアリーナとサブアリーナ、長方形の武道施設兼多目的ルームで構成し、1階のアリーナレベルで連結する。同レベルは現状地盤から約80a下、2階交流エリアレベルは約2・8b上で、交流エリアレベルへの経路は、緩やかな傾斜のスロープや階段を配置する。機能性や収益性を重視したアリーナ機能を充実。交流エリアでは大空間における空調効率の高い「居住域空調方式」を採用する、などとしている。
 また、アリーナの外周部は床から高さ2・5bまでをガラス、その上部をガルバリウム鋼板とし、ガラス部分は平面ガラスを徐々に角度を変えながら曲線状に配置。屋根はステンレス材をシーム溶接する。

提供:建通新聞社