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建設経済新聞社
2019/11/28

【京都】資産維持費を新たに料金算入 府営水道施設の強靭化に活用 3水系の料金統一へ答申案

 京都府営水道事業経営審議会(会長・山田淳立命館大学名誉教授)は26日、「持続可能な府営水道事業のあり方について(第2次答申)」案をまとめた。年内に知事に答申し、令和2年2月議会に関連条例の改正案を提出する予定。
 経営審では、府営水道の建設負担料金について、次期料金から統一料金とする最終報告を行った。宇治系では値上げとなることから、影響を緩和する措置を京都府に求めた。
 料金改定のポイントは、(建設負担料金)▽宇治系と木津・乙訓系の料金格差が相当程度縮小したため、次期料金から統一料金とする▽未利用等の水源費は今後料金算定に含めず、受水市町に負担を求めない▽資産維持費を新たに料金算入し、府営水道施設の強靭化に活用、(使用料金)▽統計的手法を用いた水需要予測を行い、過大推計を回避▽現行料金に引き続いて修繕引当金を活用し、料金を低減。
 料金改定により建設負担金は、宇治系が現行の44円から次期は55円、木津・乙訓系が現行の66円から次期は55円とする。使用料金は、宇治系、木津・乙訓系ともに現行の20円から次期は28円とする。
 今後取り組むべき課題として、建設負担水量について「現行水量を維持するが、受水割合や施設規模、配置の検討に合わせ、水量見直しの具体化を」、今後の経営については「比奈知ダム、日吉ダム(未利用水源に係る資産)の減損により、多額の累積欠損金が発生→減損による累積欠損金の早期解消も検討すべき」を挙げた。
 答申案ではこのほか、府営水道と受水市町全体での適正な施設の規模や配置を検討し、早期に、かつ着実にその具体化に向けた取り組みを進めることが重要とした。広域連携・広域化といった抜本的な方策も検討が必要とし、広域化のパターンごとに将来見通しをシミュレーションし、広域化の効果を明らかにすることが必要とした。