滋賀県は、08年(平成20年)から休館している県立琵琶湖文化会館(大津市打出浜)について、20年度に後続施設の建設予定地を含めた基本計画を策定する。その後、策定からPFI導入などを検討し、7年後の開館を目指す。
県立琵琶湖文化会館(大津市打出浜)は、1961年(昭和36年)に地上5階(外観は3層)、地下1階建、延床面積4793平方bに、展示室床面908平方b、連絡館2階展示室215平方b、別館2階展示室241平方b、本館3階展示室256平方b、本館4階展示室196平方b、ギャラリー540平方b、収蔵庫床面積561平方bが設置された博物館、近代美術館、展望閣、淡水魚水族館などを有する滋賀県初の総合博物館として開館した。
その後、時代が過ぎていくとともに、近現代の日本画・洋画のコレクションは滋賀県立近代美術館に、考古資料は滋賀県立安土城考古博物館に、淡水魚水族館は滋賀県立琵琶湖博物館に移され、「近江の歴史と文化」にテーマを絞って郷土の文化を紹介する施設となった。その核となっていたのは常設の企画展示室で、滋賀県内の寺院から寄託された国宝・重要文化財を含む質の高い仏教美術作品を展示していたが、建設より45年以上が経ち、建物の老朽化、入場者の減少等を理由に、08年(平成20年)に休館。
そのため、同館に保管していた文化財を県立近代美術館(大津市瀬田南大萱町)に増改築工事を行い機能を移す計画であったが、県は建設費の高騰などを理由に18年(平成30年)に計画を取りやめ白紙化した。これにより、文化財の保管のあり方を考えるために有識者8人でつくる「機能継承検討懇話会」を設置。文化財のあり方について、今月22日、第4回会合を終えている。
また、同館内にある文化財の大半が大津市内、また南部地域の寄託者が多いことから、候補地として大津市内の声が上がっており、それを踏まえ県としての整備方針案を、来年1月の第5回会合でまとめていく。
提供:滋賀産業新聞