新潟県建設技術センターと新潟県建設業協会、新潟県土木施工管理技士会は、「19年度技術セミナー 〜新潟の気候に負けないコンクリートづくり〜」を長岡と新潟の2会場で開いた。会員企業の技術者らが集まり、寒中・暑中コンクリートのポイントを学んだ。
第1部では、地濃茂雄新潟工科大学名誉教授が「良いコンクリートを造るための留意点(寒中編)」と題し講演。コンクリートの水分や凍結する際の体積膨張、凍結融解作用などのキーワードを挙げながら、データに基づきコンクリートの凍害を解説した。水分の凍結膨張によるひび割れや強度・弾性係数の低下といった影響に触れ、「コンクリートは生き物であり、自然環境に大きく支配される」と指摘。RC構造物は地産地消の一品生産品であると述べた上で、コンクリートと鉄筋の一体化には設計・材料・配合・施工・管理(監理)のバランスと連携が重要であると強調した。
第2部では、丸山久一長岡技術科学大学名誉教授が「良いコンクリートを造るための留意点(暑中編)」をテーマに講演した。丸山教授は最初に良いコンクリートの基本条件は所要の耐久性、所要の強度、適切な施工性がバランスよく満足することと主張。硬化開始後の発熱による温度上昇の影響に触れ、コンクリート構造物の品質・機能の確保には施工計画段階で温度応力と温度ひび割れの検討を行う必要があると指摘した。その上で、日平均気温が25度を超える暑中コンクリートの施工にあたっては、高温による品質の低下がないように、材料、配合、練り混ぜ、運搬、打ち込み、養生などについて適切な処置をとらなければならないとした。