千葉市は、今月7日の希望型指名競争入札で、千葉公園再整備基本設計業務の落札者を緑景(千葉事務所・千葉市中央区祐光1−10−4)に決定し、契約を結んだ。履行期限は2020年3月25日。予定価格3540万円、最低制限価格2818万3000円に対し、落札額は2953万1000円(いずれも消費税を除く)、消費税を含めた契約額は3248万4100円。本年度の基本設計、20年度の民活による賑わい施設等の提案募集及び実施設計を経て、21年度ごろから施設整備に着手する予定。
千葉公園(中央区弁天3丁目地内ほか)の面積は約16ha(都市公園区域)。公園内には野球場や体育館、プール等のスポーツ施設のほか池や広場、散策路などが整備されている。
基本設計では、8月に策定した「千葉公園再整備マスタープラン」を踏まえて、公園再整備基本設計、公園橋予備設計、費用便益比の算定、交通現況調査等を行う。このうち公園橋は、中央図書館・生涯学習センターと千葉公園、モノレール千葉公園駅を結ぶプロムナードの一部となる、橋長100m程度の人道橋として計画している。
区域北側の旧千葉競輪場の敷地内には、日本写真判定が「250競輪」施設として整備する(仮称)千葉公園ドーム(施工者は清水建設)とともに、先行して新体育館を建設する計画で、新体育館については現在、INA新建築研究所に委託して実施設計を進めており、20〜22年度で建設を進める計画。
千葉公園再整備で目指す将来像は、@緑と水辺に囲まれた心地よい公園(憩い)A一日、一年を通して賑わいや交流を生む公園(賑わい)Bまちとつながる公園(地域の回遊性・連携)Cみんながつくり育てる公園(管理運営)。
「憩い」では、起伏のある地形を生かして眺望を楽しめるよう、東口の高台や荒木山から綿打池、オオガハスが見渡せるビューポイントを整備するほか、既存の自然を最大限活用し樹木環境の再生を図り、四季の彩りを演出。併せて休憩スペースの改善、綿打池の安全性と親水性の向上、大賀ハスの拠点施設(蓮華亭)の充実等を図る。
「賑わい」では、老朽化が著しい野球場を廃止し、機能を転換。民間の賑わい施設のほか、ラジオ体操などの日常的な利用や家族でのピクニック、野外シネマイベント・ジャズフェスなど、新たな賑わいを創出する多目的芝生広場等を整備。
また、起伏に富んだ地形を生かした大型すべり台等の遊具や健康遊具、ウォーキング・ランニングコース、ストリートスポーツの場を整備するとともに、ライトアップなどで夜も魅力的な公園を演出する計画。
プールは、野球場と同様老朽化が進んでいるものの、同市で唯一の50m公認プールであることから、大規模な改築を行い機能を維持する。その際、賑わいエリアとともに民活の導入を検討する。さらに、既存の駐車場や新体育館の駐車場以外に、新たに主要な施設のそばに公園駐車場を整備するほか、古くなったトイレをバリアフリーで清潔なトイレに改築する。
「地域の回遊性・連携」では、中央図書館と千葉公園、モノレール千葉公園駅までバリアフリーでつなげるエントランス及びアプローチを整備し、新たなプロムナードを形成。主なエントランスは樹木を適度に整理し、花で彩られた明るく開放的な空間に改善。また、避難場所として災害時に多くの避難者を受け入れられる広場や、逃げ込みやすいルートを整備。歴史的資源として残る戦跡の保全・活用なども図る。
「管理運営」では、パークセンターやカフェに民間のノウハウを活用するとともに、地域住民や公園利用者も含めた管理運営の仕組みづくりを行い、商店街や周辺商業施設、近隣学校、ボランティアなど多様な主体と連携・協働する。
再整備マスタープランの策定については、八千代エンジニヤリングがコンサルタント業務を担当した。