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建設新聞社
2019/11/22

【東北・岩手】里山の風景生かした施設へ/盛岡市動物公園再生 ランドスケープ基本計画を公表

 盛岡市ともりおかパークマネジメント(盛岡市市門1の5の38 新沼正博代表取締役)は21日、同市新庄下八木田地内の市動物公園で記者会見を開き、公民連携で進める「市動物公園再生事業」のランドスケープ基本計画を公表した。
 同計画は、動物の福祉を考え他の動物に対する尊厳を大切に、動物・人・自然が共生する動物園をコンセプトとし、里山の風景を生かしたここにしかない施設として再整備する考えを提示。開園は2022年度を予定する。
 盛岡市動物公園は、1983年12月8日の都市計画決定により総合公園岩山南公園として89年4月22日に開園。公園面積約37fに多くの動物が飼育されているが、入園者の減少に加え、施設の老朽化のため危険箇所が多数あり早急な対策が必要な状況となっている。さらに、維持修繕費が確保できないなどの課題があるため、民間事業者のノウハウを活用した再整備を計画。事業実施に当たっては、7月8日に設立された第三セクターのもりおかパークマネジメントに委託し進めている。
 動物公園再生事業は、第1〜3フェーズの3段階に分け展開。第1フェーズは獣舎やランドスケープの改修を実施。第2フェーズはレストハウスのデッキ改修など、第3フェーズでは保育園や高齢者福祉施設、民間複合施設を整備する予定だ。
 第1フェーズに当たる今回は、動物公園のランドスケープについて、大規模改修することなく最小コストで起伏を活かした動線のほか、新しい投資を呼び込めるデザインで市民が豊かな時間を過ごす公園とする方針が示された。
 動線は、現在の一方通行で道路中心のゾーンから、時計回りで連続するゾーンとする考えで、回遊式庭園のようなメリハリのきいたシーンをつなぎ合わせることにより回遊のループを形成。わかりやすくテーマに沿った体験ができる空間を創出する。
 具体的には、サバンナゾーン、牧場ゾーンに回遊路を新設し、サバンナゾーンには両サイドに動物を配置する。既存道路はスタッフの維持管理用として活用する方針だ。
 基本・実施設計はオンサイト計画設計事務所(東京都港区)が担当。基本設計は20年3月、実施設計は10月をめどにまとめる予定。
 公園中心部に新設する絶景ポイントには、もりおかパークマネジメントが自主事業としてカフェと宿泊施設を計画。宿泊施設は1部屋50平方bの5部屋程度を設け、ファミリー層の利用を想定している。設計は別途発注とし、早ければ年度内にも業者選定する方針だ。
 また、第1フェーズで計画する獣舎の改修については、第4四半期に特別目的会社(SPC)を設立予定。いずれも21年度の工事完了を目指す。
 新沼代表取締役は「世代を超え愛される公園を創っていきたい」と話していた。

 提供:建設新聞社