神奈川県は11月21日、2019年度11月補正予算案の概要を公表した。台風19号による被害対応に174億2281万円を充て、うち124億5376万円を災害応急復旧に投じる。土木施設(国道138号他)や農林水産施設(清水下頭首工他)などの復旧を急ぐ。また、20年度当初予算案に計上する予定の建設事業など(一部)を前倒し発注するため、ゼロ県債として77億2127万円を設定する方針だ。
補正予算は一般会計に177億3500万円を追加計上。全会計予算総額を前年度11月比1・8%増の4兆0635億9600万円とする。このうち一般会計予算は1兆8772億9800万円で、2・3%の増加となる。
台風被害への対応のうち、災害応急復旧に関する予算額は、▽土木施設など88億2161万円(道路橋りょう39カ所、河川93カ所、その他67カ所)▽農林水産施設など31億8449万円(農業関係75カ所、林業関係208カ所、水産業関係3カ所)▽県有施設3065万円(相模湖漕艇場など)▽県営住宅修繕2億0600万円(14団地)▽城山ダム・三保ダムの流木などの処理2億1100万円―の内訳とした。
この他、被災事業者の事業再建などに向けて、43億3523万円を計上。事業用建物や機械設備、倉庫・生産施設、冷凍施設などに対して必要経費を補助する。被災者の生活再建の支援額は5億5140万円とした。
○「ゼロ県」 319カ所に
ゼロ県債は、年間事業量の平準化の他に、災害対策や道路補修、老朽化した水道管の補修など、県民生活に直結する事業の効果を早期に発現させるためのもの。1997年度以来、23年連続の設定となる。
配慮業種別のゼロ県債設定の概要(箇所数、限度額)は次の通り。
■建設業(工事関係)=174カ所、60億0710万円
▽林道改良事業費―2カ所、9080万円▽道路補修費他―53カ所、16億0610万円(国道134号オーバーレイ工など)▽海岸高潮対策費他―20カ所、4億2250万円(小田原海岸養浜工など)▽高等学校施設整備工事費他―5カ所、4億4700万円(平塚江南中館Aなど)▽交通安全施設整備費―28カ所、1億5262万円▽老朽配水管リフレッシュ事業費他―66カ所、32億8806万円(配水管改良48カ所、基幹管路更新3カ所など)
■設計コンサルタント業=30カ所、4億4500万円
▽道路補修費他―12カ所、2億3980万円(国道129号発注者支援業務など)▽河川改修事業費―6カ所、6200万円(引地川発注者支援業務など)▽防災砂防事業費他―7カ所、5300万円(中丸沢現地測量・堰堤予備設計など)▽高等学校施設整備工事設計調査費―5カ所、9020万円(横浜旭陵体育館など)
■塗装業=36カ所、2億8300万円
▽交通安全施設等整備費他―国道134号(平塚市袖ケ浜〜高浜台)他の歩道橋塗装工
■電気設備業=24カ所、2億3724万円
▽水防情報基盤緊急整備事業費他―7カ所、5895万円(早川河川監視局更新など)▽交通安全施設整備費他―17カ所、1億7829万円(大江橋交差点交通信号機改良など)
■測量業=22カ所、1億7820万円
▽水源林確保事業費他―2カ所、1920万円▽河川修繕費他―20カ所、1億5900万円(相模川測量委託など)
■その他=33カ所、5億7072万円
▽水源林整備事業費他―29カ所、4億9572万円▽河川修繕費他―4カ所、7500万円(境川除草工など)
提供:建通新聞社