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建設新聞社
2019/11/20

【東北・福島】住宅88戸の設計、まちづくりの提案も/双葉駅西側地区の災害住宅等設計業務

 福島県は、双葉町との協定に基づき県代行事業で実施する「双葉駅西側地区災害公営住宅等設計業務」の委託者選定に向け、公募型プロポーザル手続きを開始した。
 参加形態は、単独またはJV(3者以内)。参加資格は、全ての参加者が一級建築士事務所登録を受けており、単独またはJVとして過去10年間で最も実績のある12カ月間において、計延べ800平方b以上の共同住宅や、戸建て住宅に係る実施設計実績を有することなど。
 プロポーザル事務局は福島県土木部建築住宅課が担当。参加表明書の提出期限は12月16日で、技術提案書提出期間が同20日〜2020年1月23日となっている。
 審査委員会は、鈴木浩福島大学名誉教授(住宅政策関係)ら学識経験者のほか福島県、双葉町関係者など計9人で構成。第一次審査を2月中旬ごろに実施し、ヒアリング要請者を5〜7者程度選定。公開ヒアリングおよび第二次審査(非公開)は同月下旬ごろに行い、審査結果を3月中旬ごろに発表する。
 提案課題は@「駅西」というまちのコンセプトおよび双葉町の価値向上へ繋げるビジョンの提示Aミクストユースの考え方を全面的に取り入れた、住・職・遊を一体化させまちの賑わいを引き出すポテンシャルを備えたまちづくりにおける配置計画のあり方B各住宅や広場等とのつながりが良い、安心で快適な住宅のあり方Cその他、双葉町の計画(取組)において特に有意義と考える提案―の4点。
 町内全域が福島第一原子力発電所事故に伴う避難指示区域に指定されている双葉町では、JR常磐線双葉駅周辺の約555fを特定復興再生拠点区域として、22年春ごろの避難指示解除を目指している。このうち、双葉駅西側地区の約24fを都市計画区域に指定し、第1期事業として約12・3fが事業認可を受け、UR都市機構に委託し造成等を開始している。
 本業務は第1期事業区域のうち、双葉町長塚町西ほか地内の約4fを対象に、帰還者向けの災害公営住宅32戸、帰還者・新規転入者向けの再生賃貸住宅56戸の基本・実施設計を作成するほか、分譲地、商業施設、遊び場等の提案等を行うものとする。
 住宅の設計基本条件は、災害公営住宅(1戸当たり)が平屋または2階建て、延べ80平方b以内、再生賃貸住宅が共同住宅または長屋2階建て以内で、1戸当たりの専有床面積を80平方b以内とする。
 また、提案事項である「分譲地」は住宅・店舗等として町が販売するものとし、「商業施設等」はミニマーケット(約300平方b)、診療所(約230平方b)、社会福祉施設など、「遊び場」は共同利用できる畑・ガーデン、広場空間、集会所等を想定。このうち、集会所と広場空間については実際に本業務で設計を作成する。また、社会福祉施設は22年春に開業できなくとも、立地可能な余地を残した提案を求める。
 本業務の履行期間は約10カ月程度。住宅の建設は20年度から21年度にかけて行い、22年春の避難指示解除後の供用を目指している。

 提供:建設新聞社