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建通新聞社(東京)
2019/11/19

【東京】都検討会 南大沢駅周辺まちづくり方針策定へ検討開始

 東京都都市整備局が設置した「南大沢駅周辺地区まちづくり方針策定等検討委員会」(委員長・岸井隆幸日本大学特任教授)は、11月15日に都庁内で開いた初会合で、民間事業者の意向調査の結果やまちづくり方針の構成イメージなどを確認するとともに、2020年夏をめどにまちづくり方針の素案を、同年秋に案をまとめることを決めた。都ではこれを受けて20年度中にまちづくり方針を策定し、定期借地期間を迎える駅前都有地の事業者公募を23年度に実施する考え。
 京王相模原線の南大沢駅周辺は、多摩ニュータウン西部の拠点地区として都が中心となって開発を進めてきた。現在では駅前に大規模な商業施設(三井アウトレットモール多摩南大沢、イトーヨーカドー)や首都大学東京南大沢キャンパスの他、生活利便施設や図書館、映画館などが集積している。今後は、都による南多摩尾根幹線やJR東海によるリニア中央新幹線などのインフラ整備が予定されている一方、居住者の高齢化や住宅団地の老朽化などニュータウン特有の課題の顕在化が懸念されており、都や八王子市では留学生や海外からの研究者の向けの住宅確保、国際化に対応したまちづくり、新たなイノベーション創出に取り組む方針を掲げている。
 また、三井アウトレットパークとして運営している駅前の都有地(敷地面積約5・4f)の定期借地契約が25年度に終了することから、都有地の今後の活用について検討すべき時期を迎えている。
 こうした状況を踏まえ都では、八王子市が地区計画を定めている区域(首都大学東京や駅南側を含めた駅周辺の約38f)を対象とし、「にぎわい」「先端技術」「イノベーション」「国際」をキーワードにまちづくり方針を定めることにした。
 検討委の初会合では、都が8月から9月にかけて民間事業者やデベロッパー、ゼネコンを対象に実施した意向調査の結果を確認。都有地部分の区画に進出する際に想定される用途としては、▽まち全体のにぎわい創出につながる商業機能▽周辺地域住民の高齢化による今後の住み替えの必要性を踏まえた居住施設▽都立大学(首都大学東京)と隣接する立地を生かした産学公連携拠点としての機能▽文化・観光交流施設▽研究施設・研修所▽医療・福祉系施設―などの声が上がった。多摩ニュータウン開発センターが所有する区画については、▽商業機能▽居住施設▽ホテル―などの意見があった。
 その上で、地区が目指すべき姿として、「地区内外の人が訪れる、にぎわいのあるまち」「まちづくりの先端技術活用が進められ、イノベーションが生まれるまち」「国際性豊かなまち」などを想定し、実現に向けた課題を検証。さらに、土地利用やみどり・景観、交通ネットワーク、エリアマネジメントなど分野別のまちづくりの方向についても議論した。