第21回関東地区太平洋セメント生コン会コンクリート主任技士懇談会・技術講演会が、弥彦村の四季の宿みのやで開かれた。事務局を含めた48人が参加し、コンクリートに関する知見を深めた。
同会は太平洋セメント生コン会に所属する6県のコンクリート主任技士で構成。毎年各県持ち回りで開いており、今回は新潟での開催となった。最初に林幸男技術委員長があいさつした後、新入会員の紹介が行われた。
続いて、太平洋セメント中央研究所第2研究部高機能コンクリートチームの森寛晃氏が「暑中環境下におけるコンクリートの強度発現性」をテーマに技術講演。日平均気温が25度を超える時期に施工する暑中コンクリートについて、主に長期強度の観点から考察した。17年版示方書では打込み時のコンクリート温度は35度以下を標準とするとされているが、18年版JASS5には38度程度までなら極端な性能低下は生じないと解説に明記されており、昨今の温暖化傾向を踏まえて35度超えを前提とした品質確認の取組みが進んでいることを説明した。
特別技術講演では、地濃茂雄新潟工科大学名誉教授が「美しく健やかに〜コンクリート表層研究かれこれ30年〜」と題し技術発展に向けた糸口を提供。自身の研究の道のりを振り返り、「コンクリートの良さはあらゆるものを遮断すること」と強調した。自然や人間の行動などあらゆるものに好奇心を持つことで物事の本質が見えてくると語り、「卵を割らなければオムレツは作れない。五感を研き、冒険しよう」と次世代を担う若手技術者にアドバイスした。
終了後には懇親会も開かれ、参加者は互いの親睦を深めた。