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建通新聞社
2019/11/15

【大阪】淀川河川 淀川大宮東地区に高規格堤防整備

 国土交通省淀川河川事務所は、治水対策の一環で、大阪市旭区の淀川・大宮東地区で高規格堤防整備事業に着手する。地域のまちづくり計画と一体で整備する同事業では今回、対象エリアで新校舎の建設を進める学校法人常翔学園が共同事業者となる。淀川河川事務所が行う工事については、条件が整えば2020年度に着手する予定だ。工事は地盤改良工を先行して発注し、常翔学園の既存建物撤去後、盛土工を発注する見通しだ。事業費は約16億円を見込む。
 直轄事業で予定されている工事は、地盤改良工約2万5000立方b、盛土工約7万7000立方b。20年度から23年度にかけて整備する。測量設計はパシフィックコンサルタンツが担当。
 工事場所は淀川河口部から約13・2`地点の大阪市旭区大宮5丁目。既に高規格堤防を整備済みの大宮地区と側道を挟んで隣接し、一体的な整備を図る。
 また、コスト縮減にも取り組み、高規格堤防の盛土材に他事業で発生する掘削土(建設発生土)を有効活用する。さらに資材運搬についても「舟運」を活用するなど、さらなるコスト縮減に向けた検討も進めるという。
 共同事業者の常翔学園は、対象エリア内で新・中学高校東館を建設。同館の現建物を撤去した跡地に淀川河川事務所が整備する高規格堤防の完成後、上面整備(グラウンド、面積1万2500平方b)を行う。新築工事は20年度、撤去工事は21年度、上面整備は24年度に予定している。
 淀川での高規格堤防整備は10年の事業仕分けで一旦廃止されたが、11年12月に開催の有識者による検討会で「整備区間を人口が集中した区域で、堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」に限定して整備することを決定。淀川沿川のゼロメートル地帯など(右岸側は河口付近からJR東海道本線まで、左岸側は河口付近から守口市下島公園付近まで)を対象に実施することとした。
 これまで大宮地区など左岸側の8地区で整備、大阪市此花区の酉島U期地区を整備中だ。今後も河川背後地で計画されるプロジェクトの動向を踏まえ、新規に事業化する地区を検討する。

提供:建通新聞社