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建通新聞社(神奈川)
2019/11/15

【神奈川】県鉄道輸送力増強促進会議 要望を決議

 神奈川県鉄道輸送力増強促進会議(会長・黒岩祐治神奈川県知事)は、鉄道事業者に対する要望202項目を決定した。このうち、新松田駅(小田急小田原線)、松田駅(JR御殿場線)の周辺整備に関する事業協力、宮山駅(JR相模線)への多機能トイレ設置などを新たな要望項目とした。鉄道事業者からの回答は2020年2月ごろとなる見通し。
 同会議は、神奈川県と県内33市町村、経済団体(県商工会議所連合会、県商工会連合会)で構成。今回の要望項目は、11月13日に横浜市内で開いた19年度総会で決議した=写真。国に対しては、交通政策審議会答申(16年4月)でプロジェクトに位置付けられた路線の整備や、新設路線の整備、既存路線への新駅設置などの早期実現に向け、新たな補助制度の創設などを訴えている。
 総会では副会長を務める浅羽義里副知事が前年度の要望項目に触れ、7割弱が前向きな回答だったことを明かした。その上で、「鉄道事業者の皆さんとともに、地域公共交通をしっかりと支え、守っていく動きを進める」と述べた。
 今回の要望は、JR東日本やJR東海、小田急電鉄、京浜急行電鉄など鉄道事業者10社に対して行った。
 新規項目でハード関連は三つ。このうちの2項目(新松田駅周辺の整備、松田駅周辺の整備)は、小田急小田原線新松田駅とJR御殿場線松田駅の交わる地域の改善に向けたもの。
 今年3月に松田町が「新松田駅周辺整備基本構想・基本計画」を策定。基本構想の範囲は駅周辺約29・8fで、その中心部に当たる約8・2fを基本計画の対象とした。その後、駅前通路、自由通路、駅舎改修、駅と駅を結ぶ連絡通路などについて詳細を鉄道事業者と協議することになった。小田急電鉄とJR東海に対する今回の要望は、地権者らで構成する再開発準備組合の設立に向けて勉強会を実施する町との調整など事業協力を求める内容。
 この他の新規項目は、JR東日本に対する相模線宮山駅への多機能トイレ設置。同駅周辺には年間約200万人が参拝する寒川神社がある。多機能トイレがないため、高齢者や障害者が不便を強いられているとし、設置に向けた取り組みを要望した。
 また、継続項目としては、藤沢駅から大船駅間の新駅設置(JR東海道本線)、新横浜駅と小田原駅間の寒川町倉見地区への新駅設置(JR東海道新幹線)、神奈川東部方面線の事業推進(東急電鉄)などを盛った。

提供:建通新聞社