令和元年度全国治水砂防協会中国地区支部長会議が11日、鳥取市末広温泉町の白兎会館で開かれ、同協会鳥取県支部長の吉田英人八頭町長や草野愼一県土整備部長らが出席し、国交省砂防部の今井一之部長と同協会の大野宏之理事長の講演を聞いた。
今井部長は今年10月に甚大な被害を出した台風19号と昨年7月の西日本豪雨を引き合いに、土砂災害の恐ろしさとハード・ソフト面での対策の大切さを説明。その中で「予防のための予算をただ要求するのではなく、国土強靭化は3年で終わらないという現場の声と3年間の成果も含めて政府に訴えていくことが必要」と強調した。
大野理事長は土砂災害対策の課題面として「雨による土砂災害対策は実施してきたが地震による深層崩壊などの土砂災害対策が不十分」と説明した。
その後、出席者らが▽実効性のある避難確保のあり方について▽砂防専門家の活用と市町村における防災関連の人材育成について意見交換した。その中で同協会広島県支部長の平谷祐宏尾道市長は「災害経験がないから犠牲につながる。そうならないためにも避難する文化を皆でつくっていくことがこれからの災害対策として大事」と熱弁した。
12日には現地研修会が開かれ、旧美歎水源地水道施設=鳥取市国府町美歎=や平成19年8月豪雨災害カ所=若桜町赤松地内=などを視察した。
日刊建設工業新聞