2019年度の災害に強いまちづくり検討会(座長・原忠高知大学教育研究部教授、事務局・四国地方整備局建政部)の第1回会合が11月6日、高松サンポート合同庁舎で行われ、高知県宿毛市をモデルとした災害に強いまちづくり計画(骨子案)を検討するとともに、検討会の取り組みが本年度に10年目の節目となるため、「災害に強いまちづくりガイドライン」を四国全体に展開・浸透させるためのコンパクト版を利用者目線で改定することを決めた。検討会に示したガイドライン素案を基に今後検討し、次回20年2月に開催予定の第2回検討会に地域条件による災害に強いまちづくりの検討や事前復興計画とまちづくりの推進などを盛る改定案を示す。
検討会では19年度に高知県宿毛市をモデルにした「災害に強いまちづくり計画」を検討する。
今回は、まず宿毛市の地域特性や「平成30年7月豪雨」を含む地震、風水害履歴と南海トラフ巨大地震による地震被害想定、洪水・土砂災害被害想定を整理。宿毛市全体の現状と課題を把握しつつ、地域モデルの主な計画対象範囲の選定を11月下旬に実施する現地ヒアリングを踏まえて検討する。
地域モデルの検討では宿毛地域がガイドラインの「山地に迫る沿岸部」に該当することから、▽あらゆる方向からの津波想定▽市街地から500b範囲の逃げる高台▽市中心部の南海トラフ地震による津波浸水想定と地盤沈下による長期浸水被害想定▽友人離島の孤立化▽「平成30年7月豪雨」時の住民主体で避難呼び掛け―などの、まち・災害の特性や課題を整理した。
「宿毛市災害に強いまちづくり計画」ではこれらを踏まえ、▽市庁舎等防災拠点の高台移転、浸水抑制・警戒避難・排水対策等の検討▽地区の条件に応じた、住民主体の防災活動の充実▽有人離島の孤立に備えた対策(資材の備蓄)を検討するなど導入メニュー例を挙げた。
特に、防災拠点施設の高台移転、四国横断自動車道の市街地高台ルートの整備と市街地沿岸部の護岸嵩上げと耐震化などの事前復興の視点を計画に盛る。
今後11月下旬に実施する現地調査とヒアリングを基に詳細を検討。第2回検討会に現地確認を基に、まちづくり計画(素案)を示す。
提供:建通新聞社