県土整備部は、鳥取港(鳥取市港町)の航路に堆積した土砂の浚渫と第3防波堤の基礎撤去に計3億5000万円を「11月補正」に盛り込む。12月の予算議決後、年明け以降にそれぞれ「港湾工事」として発注する。
千代川河口の「千代航路」(水深10b)は、台風や豪雨のたびに土砂に埋もれ、一昨年秋の台風18号、21号や、昨年7月豪雨の際にも堆積した土砂を浚渫している。
今回は先月の台風19号の影響により、北東の風を受けて沖合からの土砂が航路に流れ込んだ。深浅測量の結果、土砂2bが堆積していることが分かり、同部は5万立方bの浚渫を来月16、17の両日実施される災害査定に申請する。復旧費は2億5000万円。
また、度重なる千代航路の閉塞から、同部は西側から船舶を出入港させる「西浜航路」をメイン航路とする港湾計画の改定や長期構想の策定検討に入っている。縦に伸びる第3防波堤を撤去して、沖合の東西にある第1防波堤との間に幅170bの航路を確保する計画。
先立って第3防波堤は14年度までに一部の上部ケーソンを取り払っており、次いで来年度にかけて基礎捨て石(1個当たり10〜200`)1万7000立方bを撤去。現在の水深5・5bから大型船の出入りに必要な水深10bを確保する。総事業費4億円。
このうち「11月補正」では、延長130bにわたる基礎捨て石4250立方bの撤去工に1億円を要求する。
土砂の浚渫と防波堤基礎の撤去について、同部は「春先から着工できるよう調整したい」(空港港湾課)と話しており、工事発注後、海上の静穏度が高まる来年4〜5月にかけて工事着手する。
日刊建設工業新聞