横浜市は横浜美術館の大規模改修工事費を約120億円と見積もった。設備更新、経年劣化改修、既存遡及、バリアフリー対応、機能向上に関わる各種工事を実施する予定。2021年度の着工、23年度の完了・リニューアルオープンを目指す。
西区みなとみらい3ノ4ノ1にある近・現代美術を扱う総合美術館。鉄骨鉄筋コンクリート造8(一部3)階建て延べ2万6829平方bの建物に「グランドギャラリー」や七つの展示室、レクチャーホール、美術情報センターなどを収めている。1988年3月に完成した。
施設や設備の老朽化などを受けて大規模改修を施す。建設時の設計を担当した丹下都市建築設計(東京都港区)で20年度内に実施設計を終えて、21年度からの工事に備える方針だ。
大規模改修工事の主な内容(予定)は次の通り。
◎設備更新
▽電気―受変電設備、照明設備、自動火災報知設備など▽衛生―給排水配管、ポンプ、スプリンクラー、消火栓など▽空調―空調機、空調ダクト、屋外機など
◎経年劣化改修
▽防水―屋上アスファルト防水、ウレタン塗膜防水の更新▽外壁―外壁目地シーリングの更新▽外装材―笠木ジョイントシーリングの更新、トップライトガラスシール更新など▽塗装―外部鉄部の塗装更新など
◎既存遡及
▽既存エレベーター、エスカレーターの更新▽構造躯体の補強
◎バリアフリー対応
▽エレベーター増設2基▽トイレ改修(多目的トイレの機能向上、便器の増設など)▽授乳室の改修▽点字ブロック、手すりの設置▽館内サイン改修(多言語化など)
◎機能向上
▽美術品収蔵庫の増設約470平方b(前室含む)▽美術情報センター(図書館機能)の移設
提供:建通新聞社