国土交通省中部地方整備局港湾空港部は11月7日、第4回伊勢湾の港湾ビジョン策定委員会を開き、港湾ビジョン素案を提示した。名古屋港と三河港において、高速インターチェンジと各ターミナル間、モータープールと各ターミナル間などで隊列走行や自動運転に対応した専用臨港道路の整備を行うなどの方向性を打ち出している。本省港湾局が2018年7月に作成した港湾の中長期政策「PORT2030」を受けた同港湾ビジョンは、12月に開く第5回委員会でとりまとめる予定だ。
自動車産業や航空機産業をはじめとするモノづくり産業が集積している伊勢湾地域は、日本の経済・産業をけん引する一方、クルーズ船拠点化整備やインバウンド観光客に対するプログラム整備の遅れ、南海トラフ巨大地震のひっ迫性が危惧されている。
こうした現状と課題を受け、伊勢湾の目指すべき姿として「日本のまん中に位置するポテンシャルを生かし、ものづくり産業の発展を支援することで、わが国の国際競争力強化をけん引するグローバル・ハブを目指す」とした。伊勢湾港湾の基本理念は、港湾の連携と機能分担により、日本を強力にけん引するグローバル・ハブとしての伊勢湾港湾とし、▽グローバルバリューチェーンを構築する物流機能の深化▽世界最強・最先端のものづくりへの進化を支える産業基盤を支援▽国際大交流時代をひらく観光・交流を促進する人流拠点の形成▽地域ポテンシャルを活用した新エネルギー拠点形成への挑戦▽安定的な港湾機能の発揮・大規模自然災害に備えた防災・減災対策の推進―の各理念で構成する。その上で、目指すべき方向性を設定。名古屋港、四日市港、三河港、衣浦港、津松阪港の各港について施策・プロジェクトを整理している。
今後のビジョンとりまとめに当たっては、具体の対応方策と実施時期(短期・中期、長期で分類)などを示したロードマップを整理する見通しだ。
提供:建通新聞社