杉本達治/福井県知事 県政トップ同士。直接会って(人間的にも)知り合い、何かあった時にも直ぐに連絡が取れるように。改めて大切な会と実感込める。
谷本正憲/石川県知事 20回の節目を迎え、当初は栗田知事にお声かけして始まったと感慨深げ。県境を越えた課題に成果を数々上げてきたと高く評価した。
懇談後、一層の連携強化を誓い、固く握手を交わす両県知事
第20回石川県・福井県知事懇談会が6日開かれ、議題を北陸新幹線の整備促進と並行在来線に関する取り組みや、小松空港のさらなる利活用の推進へと設定し、活発に意見交換した。永平寺町の永平寺親禅の宿・柏樹關で。
杉本福井県知事は冒頭挨拶中、北陸新幹線に絡め「先の台風19号による被災で、長野新幹線車両センター等が浸水し(谷本知事が)いかに重要かと痛感された点が大変印象的」と率直に、人(富)を運んでくる交通インフラの重要性について、谷本知事を思いやり強調した。
また「新幹線は東京を近くし、石川と富山は東京との関係が強くなった。ただ北陸はもともと関西との関係が強く、一日も早く関西につなぎ、関西からさらに多くの人が訪れるよう、一緒に協力をさせていただきたい」と抱負を述べた。並行在来線については、安定経営と地方負担の軽減など課題を指摘し、IRいしかわ鉄道との情報共有で収支改善策に向ける提案を行った。
国道8号の福井・石川県境部に関し、今年度4車線化の新規事業区間(8・9キロメートル)の早期着工を提案し、谷本知事と一致した。
谷本石川県知事は先ず、開催地の永平寺町ついて、学生時代以来の訪問となり「まち並みが大変に整備され、これから永平寺を売り出していこう、という並々ならぬ意欲を感じる」と第一印象から切り出し、県境部分に光を当てる、この懇談会の先進性も改めて誇った。
北陸新幹線については「3年半後には敦賀開業。その先には大阪開業をひかえ、実現すれば金沢から大阪までは1時間20分。福井からだと1時間を切り、通勤圏内」などと経済波及効果も含め、強い期待感を示した。
敦賀・大阪間の環境アセスメントや、関西広域連合長や関西経済連合会長も建設促進運動に参加。財源確保へJR西日本の社長が前向き発言を行う好環境を指摘。また小松空港の日本海側の拠点空港として一層の利活用へ、提案をするなど、両県の足並み揃った取り組みを強調した。
【両知事による一致ポイント】
■北陸新幹線に絡む並行在来線対策で、課長級の連絡調整会議を部長級に格上げ。経営計画の策定へ、両県で合意した事項等について、具体の協議・検討を加速させる(石川提案)
■新幹線で北陸3県、関西との連携を強化し、令和4年度末の敦賀までの確実な開業や、敦賀・新大阪間の切れ目ない着工による一日も早い全線開業を(福井提案)
■広域観光の誘客へ、新たなゴールデンルートの定着を。両県を含めた沿線12自治体とJR等の連携による認知度向上、海外メディアや旅行会社の招へいなど(石川提案)
■広域観光で首都圏での観光・物産展における両県連携による新幹線敦賀開業PR。両県のアンテナショップに敦賀開業をPRする特設コーナーを開設(福井提案) 等々