全国情報ネットワーク：各地域で信頼される専門紙33紙で構成

　東京都財務局は、公共工事の品質確保と担い手の中長期的な育成・確保に向けて試行しているモデル工事で、「週休２日」と「女性活躍」あるいは「若手育成」を組み合わせて実施することを検討する。試行現場での声を反映させ、現場で働く技術者がより働きやすい環境の整備を加速する考えだ。
　同局では、建設業で働く技術者の高齢化や若手技能者の減少などに対応しつつ、公共工事の品質確保につなげることを目的に、所管する建築と設備工事で16年度に週休２日モデル工事と女性活躍モデル工事の試行を開始。さらに、入札参加有資格者の技術者の配置状況なども確認した上で、17年度から若手育成モデル工事も試行している。
　18年度末までに週休２日モデル工事を16件、女性活躍モデル工事を13件、若手育成モデル工事を５件に適用し、合計34件を試行した。
　これらのモデル工事では、竣工の際に受注者にアンケート調査を実施しており、週休２日モデル工事の現場では、「体調を整えることができた」「他の現場でもモデル工事を実施すべき」といった声があった。女性活躍モデル工事では、「技術者や作業員の間で、女性を受け入れる雰囲気が醸成され、やりがいを感じている」という女性の声や、「週休２日と併せて実施すべき」といった見学者の声が上がったという。
　こうした声も踏まえ、同局では、現場で働く技術者にとってより働きやすい環境を整備することが、建設業の担い手確保に必要な取り組みだと判断。女性活躍と週休２日を組み合わせたモデル工事や、若手育成と週休２日を組み合わせたモデル工事を「基本」として検討するなど、これまでの取り組みを加速する考え。

提供：建通新聞社