県大津土木事務所が「滋賀県道路整備アクションプログラム」の一環で進めてきた伊香立浜大津線(千野坂本工区)の道路改築事業は、今年度に国庫補助事業の新規採択を受け事業が本格化される。それに伴い近く、測量業務の入札を実施、業者を選定し、これを来年3月中頃にまとめる。工事時期に関しては現在は未定。
調査内容は、設計の見直しに伴ってより広範囲の平面図が必要となったため、大津市坂本本町にある西教寺交差点から千野地区のL1q・B200bの現地測量を実施。また、面積0・2平方qに3級6点、4級94点の基準点測量と水準点測量の3級2点(起点部、終点部)L5・2qを行う。
千野坂本工区は、延長1・7qのバイパスで現在1・3q区間で道路予備設計(B)、平面交差点予備設計(1ヵ所)、一般構造物予備設計(2ヵ所・法面工)を実施しており、区間内には約100bの橋梁が架かる予定をしている。現道の千野坂本工区は、幅員が狭くカーブが多いため見通しが悪いうえ、住宅街を抜け山道を進む区間。過去に大きな事故などはないが、地元の生活道路でもあることから事故への懸念もあがり、バイパス事業について地元要望が多くよせられた。
県は、県都として発展を続ける大津地域は、主要な幹線道路である名神高速道路、新名神高速道路、京滋バイパス、国道1号に加え、JR、京阪といった公共交通網が集中しているが、これらの交通軸は、山と琵琶湖に挟まれ市街地に集中しているため慢性的な渋滞が発生している。今後、渋滞の影響を緩和していくために道路整備の一層の推進が必要と考え、03年度(平成15年度)に「滋賀県道路整備アクションプログラム」を策定。現在、最初の計画を策定して以降、08年度(平成20年度)、13年度(平成25年度)、18年度(平成30年度)と社会経済情勢の変化や新たな政策課題に係る変更要素により3回の見直しを行っている。
近年では、13年(平成25年)に近江大橋の無料化、国道161湖西道路の4車線化も着工しており、着実に交通環境の改善が進められている。しかし、頻発する自然災害による通行止め等により、集落の孤立化、市民生活や社会経済活動への影響等、災害への備えや防災対策は十分ではなく道路の信頼性、防災性の向上も求められている。同事務所では、今後も地域の課題の抽出やその課題を踏まえた今後の道路整備についても、検討していき確実に進めていく。
また、伊香立浜大津線では、千野坂本工区と他に平尾工区、下在地生津工区の道路改築事業も実施している。
なお、現在、千野坂本工区の道路改築設計業務をダイヤコンサルタント(大阪府吹田市)で進めており、年度内には業務を完了させる予定。
提供:滋賀産業新聞