愛知県は、愛知県スポーツ会館の用途を3月末に廃止することを決めた。同施設は名古屋市が管理する名城公園内にあり、2020年度中に県で既存施設を撤去・更地にした後、跡地を市に返還する。これに伴い県スポーツ局は10月30日に市と合意。引き続き、撤去工事費を来年度当初予算に盛り込むため、予算要望の準備に入るとしている。
既存施設は中央、東、西の3棟で構成。構造はいずれも鉄骨鉄筋コンクリート造で、中央棟が地下1階地上5階建て延べ3234平方b、東棟が4階建て延べ3635平方b、西棟が3階建て延べ2279平方bの規模となっている。敷地面積は1万1900平方b。所在地は名古屋市北区名城1ノ3ノ35。
愛知県スポーツ会館は、名古屋市が借り受けている国有地に、市から公園施設設置許可を受けて県が1972年に設置した。40年以上にわたり利用を続けてきたが、市から、県が計画する新体育館建設に伴って生じる、名城公園北園の公園機能の縮小に対応した代替機能の確保について要請があり、協議を開始。その結果、近接地で唯一まとまった土地となる同地を代替地とすることとした。
新体育館の建設に向けては、今年5月に県が基本計画を発表し、名城公園北園の一角に整備する方針を示していた。
県スポーツ局は、「開設当初は珍しかった生涯スポーツ施設も今では各地で整備が進んだ。愛知県スポーツ会館の役割は終わった」とし、用途廃止に伴う別地への機能移転はしない考えだ。
提供:建通新聞社