第2回木造公共建築講座(県産材活用編)となる「JAS構造材(県産材)の活用事例と高性能林業機械による県産材伐採作業見学会」が10月30日、南砺、砺波両市で開かれた。
主催は富山県(委託・富山県建築設計監理協同組合)、富山県木材組合連合会。
県内の設計事務所に所属する建築士や市町村の建築関係技術者など約50人が参加。砺波市庄川町示野の道の駅庄川で、県設監協の篠島弘男常勤相談役が開会のあいさつ。その後、砺波市庄川町名ケ原の山林に向い、実際の伐採を体感した。富山県西部森林組合の森松亮代表理事組合長のあいさつに続き、チェンソーを使った立木の伐倒や、ハーベスタによる伐木・造材といった丸太原木出荷のプロセスを見て回った。説明には種部修史砺波支所長と林浩之森林施業プランナーが当たり、「機械と人の有機的な組み合わせによる作業システムが取り入れられている」と述べた。
続いて、南砺市前田にあるチューモクのプレカット事業部に移動。JAS構造材利用拡大事業を活用して建てられた木造倉庫を見学した。座学では冒頭、チューモクの澤田喜朗社長が「非住宅の大型物件にも対応できるよう体制を整えている。人と環境にやさしい木造建造物の受注にまい進したい」とあいさつ。講師を務めた県木連委員で富山県SCM推進フォーラムコーディネーターの上田純和氏(チューモク)は、南砺市産杉の集成材や無垢材が使われた木造倉庫について、樹種別の使用個所をはじめ調達の流れを解説。また、南砺市の木利用促進事業などの補助制度を取り入れた建物であるとした。
最後に県木連の清水真人副会長・専務理事がJAS構造材利用拡大事業について資料を示しながら、「補助対象が拡大されている。非住宅建築にも利用してほしい」と呼び掛けた。
木造公共建築講座(県産材活用編)は、第1回が6月に富山市の県民会館で開催。「非住宅木造建築物への県産材活用・林野庁補助事業説明会」と題して座学のみで行われた。