新潟県建設専門工事業団体連合会(近喜男会長)と県土木部の意見交換会が30日、新潟市中央区で開かれ、新担い手3法や働き方改革への対応に関し持続的な環境づくりに向けた元請、下請関係などの課題を共有した。
県建専連は週休2日実現に向けた取組みとして、工事の一層の平準化、適正な工期設定、適切な積算などを求めた。加えて、生産性向上への取組み、災害時の緊急対応強化・持続可能な事業環境の確保、民間発注者等への指導などを要請。これに対し、県は春先の工事量確保および債務負担、繰越予算を活用し対応すると応じた。元請と下請の実態把握では、法定福利費の確認や改善指導など国と共同で立入検査していることや、これまで1次下請までだった社会保険加入の条件を20年1月からは2次以下にも要件化することが改めて紹介。また、4月から運用開始の建設キャリアアップシステムでは「国や他県の状況、県内の業界団体の声を聞きながら検討したい」とした。そのほか、建設専門工事技能者の確保・育成と地位向上に向けた技能者の評価などに関し議論した。
近会長は「大きな課題が2つ。社会保険の加入促進を継続するための貴重な原資となる法定福利費の確保。もう1つは週休2日のために請負単価を20%引上げなければ実現はほど遠い。働き方改革を進めると廃業しないといけないとの声もある」と切実な現状を訴え掛けた。続いて、営繕課の野呂栄一課長は「安全安心な地域の社会資本整備を進めるためにも、適正な利潤を確保し、適正な予定価格、工期設定が重要だと考えている」と理解を示した。