名古屋市上下水道局は10月29日、上下水道事業経営有識者会議を開いた。次期経営計画(名古屋市上下水道経営プラン2028)について、現状と課題の他、基本方針・施策、主な事業について計画案が提示された。主な事業には、名古屋駅周辺地区へのさらなる安定給水の確保に向けた導水管・配水幹線の更新、同地区内の下水管の改築・更新や大治浄水場の浸水対策、空見スラッジリサイクルセンター第2期整備などを挙げている。
次期経営計画は2028年度までの10年間で、これまでの経営計画(5年間)よりも計画期間を長く設定している。
主な事業は▽水道基幹施設の更新・耐震化▽水道基幹施設の停電対策および浸水対策▽配水管の更新および耐震化▽下水道基幹施設の改築および耐震化▽下水管の改築および耐震化▽下水道による浸水対策▽大雨に関する防災情報などの普及・啓発▽水道水の安全性向上▽下水道による水環境の向上▽再生可能エネルギーの有効活用―などを挙げる。
配水池の耐震化や配水場の非常用発電設備の72時間化、河川の洪水で浸水の恐れがある大治浄水場の浸水対策を進める方針。非常用発電設備の72時間化は22年度を目標に進める考え。
下水道基幹施設では、水処理センターの改築期間中などの処理能力を補うため、水処理センター間をつなぐネットワーク管の整備に向けた検討を行うとした。
下水管の耐震対策では、液状化想定区域内の重要な下水管に接続するマンホールの浮上防止対策を20年度までに完了させる。また、継ぎ手構造が脆弱(ぜいじゃく)な古い規格のコンクリート管は23年度までに改築を完了させる考えだ。道路陥没対策では、取り付け管で陶管が集中している地域で重点的に改良を進めるとした。
洪水・内水ハザードマップでは、想定最大規模降雨時の浸水状況を示した内水浸水想定区域図を作成する。
水源水質の急変などにも対応できるよう、春日井浄水場で横流式沈殿池や活性炭注入設備を更新する方針。
中川区・港区の庄内川西部地区や守山区の志段味地区、緑区の一部地区の下水道未整備地域については土地区画整理事業と整合性を取りながら下水道整備を進めるとしている。また、既存の水処理設備の改築に合わせて、高度処理を導入する。
提供:建通新聞社