神奈川県相模川水系ダム管理事務所は、相模ダムリニューアル事業調査・設計業務(概略設計)を委託するため、10月29日に公募型プロポーザル手続きを開始した。ダム施設・設備の配置設計や構造検討などを行うもの。参加表明書を11月5日まで、提案書を27日まで受け付けた後、審査会を12月中旬に開く予定。選定結果は同月下旬に通知する方針だ。
相模ダムは、相模原市緑区与瀬、若柳地内に所在する重力式コンクリートダム。堤高58・4b、堤頂長196bで、総貯水容量は6320万立方bに及ぶ。1947年に完成から70年以上が経過し、全体的に施設が老朽化しているため、リニューアル事業を行うことになった。
これまで、ダム本体他の諸設備改良検討を八千代エンジニヤリング(東京都台東区)、地質調査を建設技術研究所(東京都中央区)、水理実験をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)に委託するなど、各種の調査・検討業務を進めてきた。
今回の概略設計では、堤体や洪水吐き、減勢工に関する配置設計、構造検討などを行う。具体的には、既設洪水吐きと堤体腹付けコンクリートの配置・形状を考慮した門柱(ピア)位置を検討し、形式や主要構造寸法などを定める。構造検討の内容は、既設堤体の改修範囲や基礎処理工、ピアの安定性、減勢工の基本形状など。さらに、これらを踏まえて数量計算書や工程表を作成する。
契約期間は2020年11月30日まで。
リニューアル事業は38年度まで20年間にわたって行われる。今年2月の建設・企業常任委員会に報告された内容によると、概算工事費約252億円を見込む。放流施設(洪水吐きゲート5門、調節ゲート1門、ゲート開閉装置6基、ピア7基)の更新、下流施設(減勢工、護岸工、護床工)の新設などを行うとされている。
今後は、概略設計期間を経た21〜22年度に実施設計、22〜23年度に準備工事などを行う。下流施設工事は24〜28年度、放流施設工事は27〜38年度としている。
提供:建通新聞社