県は、屋久島空港滑走路延伸に向け基本計画案で施設配置案を明らかにした。旅客ターミナルビルは、現施設の約3倍の建築が可能となる敷地を確保。住民の合意形成を図るための手続き「パブリック・インボルメント(PI)」は9月に第1回目評価委員会を開催した。今後、約7カ月かけて進める方針で、事業化には複数年の期間を見込んでいる。
現ターミナルビルは、1975年に建設。建物規模はRC造平屋建て638.74u。管理会社の出資比率は、岩崎産業が45%、いわさきコーポレーションが40%、日本航空10%、屋久島町5%。老朽化と狭あい化が進み、13年12月の株主総会で建て替えの方針を示した。
そのほか、ジェット機が就航可能となると国際線のチャーター便が運航される可能性が高まるため、将来のCIQ施設の設置等を考慮して拡張用地や給油施設敷地も確保する。また、誘導路を1本新設してジェット機1バース分を確保。運用を継続しながら工事を実施するため、南東側に敷地を拡張する。
PIの実施の流れは、基本計画(案)の公表および地元説明会(屋久島町内で3回予定)を行い、その後、意見を内容別に整理した上で、対応方針とともに公表。活動の経緯を取りまとめたPI実施記録書を20年度初めから作成する予定でいる。
その後の事業化に向けた取り組みは、騒音や振動、大気等の環境影響評価や空港施設の測量設計等がある。
滑走路延伸は南東側に320m、北西側は県道を付け替えて180m延長してジェット機が就航可能な2000mとする。施設延長は現在の1620m(滑走路1500m)から2120m(同2000m)となる。