建設職人基本法(職人法)に基づく「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する鳥取県計画」(県計画)を策定する検討会議が23日県庁であり、県計画案を巡って関係者が意見交換し、年度内に策定する方向を確認した。
17年3月施行の職人法は、下請け業者を含め全ての建設就労者の労働安全確保と処遇の改善につなげる目的。建設業の重大な労働災害の発生状況を踏まえ、官民発注を問わず労災保険料を含む安全衛生経費の確保や、一人親方問題に対処するよう国や都道府県に対策を求めている。
検討会議には、建設業協会や専門工事業、技能士連合会、国交省鳥取、鳥取労働局、市長・町村会などから20人が出席。県土整備部が県計画案の概要を説明した。
県計画案は、国の基本計画に沿って現状の課題と目標を整理。▽労働災害の撲滅▽一人親方の安全確保▽担い手の確保―を目標に掲げ、取り組むべき課題として元下請け関係の適正化や、労働安全衛生法上の保護対象外となる一人親方の「労災保険特別加入制度」への加入促進などを盛り込んだ。計画期間は20年度から5年間。
出席者からは、県計画案について「具体的な実行ベースの対策が必要」「降雪がある地理的な特性を考慮した工期の設定を」「民間工事に法定福利費を含めた費用は考えられるのか(現実にあり得るのか)」といった意見が寄せられた。
県は今後、県計画案に指摘された意見を肉付け。12月にパブリックコメントを実施するほか、県議会に意見を求めて年度内に県計画をまとめる。
来年4月の施行後は、「計画推進協議会」を設置して各施策の進捗を管理。実効性を担保する。
日刊建設工業新聞