県が2018年度に発注した週休2日対象工事で、受注者が実施意向を示しながらも達成できなかった現場が半数あったことが分かった。その理由は明らかになっていないものの、施工上の制約や人手不足、工期のひっ迫などが要因として考えられる。新・担い手3法で掲げた適正な工期設定や施工時期の平準化が求められる中、改めて現場の課題を分析する必要がありそうだ。
県の週休2日工事は18年2月から、受注者による手挙げ方式(受注者希望型)で試行を開始。18年度(4月〜19年3月)は991件の対象工事を発注し、約3割に当たる306件で受注者が実施意向を示した。
その結果、週休2日を達成できたのは152件(49.7%)、未達成は154件(50.3%)あり、実績が二分化した格好。受注者の意思表示があった上での結果として考えると、解決すべき課題がまだまだありそうだ。
考えられる要因として、業界からはこんな声がある。
「施工上の制約や前工程の遅れ、追加・変更等で工期が追いつかなくなった」
「交通誘導員も含めた人手確保に苦慮したため、工程がずれ込んだ」
「年度末のタイトな工期設定(特に市町村)に依然として振り回されている」
県では7月から、週休2日試行工事の定義を「4週6休以上」に拡大し、補正率も見直した。経費補正に関しては、受注者から「まだ現場の実態に見合っていない」と一層の引き上げを求める要望が目立つ一方、発注者は「数字的な根拠がないと対応しづらい」ともどかしい。
■最多は大分
熊本は実績なし
週休2日工事に関する九州各県の実施状況(18年度)をみると、大半を受注者希望型が占め、発注件数は大分の1234件が最多。これに本県(991件)が続いた。
達成件数も、大分の162件が最も多く、次いで本県の152件。他県では、佐賀(19年3月試行)と熊本でまだ実績がなく、温度差が表れている状況だ。
発注者指定型は、沖縄の発注件数が159件と際立っており、受注者希望型(163件)とほぼ同比率となっている。
本県は19年度、約1200件の対象工事を発注する見通し。実施意向を示した受注者の達成率がどう推移するか注目したい。