県病院局は、昨年度にまとめた「(仮称)千葉県総合救急災害医療センター」の基本設計の概要を公表した。新病院棟はSRC造(一部S造)4階建て延べ約1万9900uで、免震構造を採用する。ほかに防災棟と院内保育所を整備し、総延べ面積は約2万2000u。防災棟はRC造平屋建て、院内保育所は木造平屋建てで、いずれも耐震構造。病床数は一般100床(一般68床、ICU12床、HCU20床)、精神50床(隔離室・保護室16床、後期病床34床)。
事業スケジュールは、2019〜20年度で実施設計を行い、20年度に着工。20〜22年度の3か年で建設し、23年度のオープンを目指す。
基本設計と実施設計はともに梓設計(東京都品川区東品川2―1―11)が担当。実施設計は本年4月22日に2億1068万700円(消費税込み)で契約した。設計工期は来年6月30日まで。
同事業は、老朽化している県救急医療センター(千葉市美浜区磯辺3―32―1)と県精神科医療センター(千葉市美浜区豊砂5)を一体的に整備するとともに、県精神保健福祉センターを合築する計画。
建設場所は現精神科医療センターの隣接地で、千葉市美浜区豊砂6―1ほか地先。敷地面積は約4万2000u。
病院本棟の断面構成は、1階に身体・精神の救急外来、一般外来、サービス部門を設置。2階に身体科入院機能100床、3階に精神科入院機能50床を配置し、それぞれ1フロアに集約する。行政機関の精神保健福祉センターは4階に単独配置し、入口から専用の動線を確保し、一般利用者に配慮する計画。屋上上部にはヘリポートを整備する。
既存病院を運営しながら、造成、建設工事を実施。敷地は盛土を行い、1階レベルを海面から6・0mに設定し、津波や高潮の浸水を防ぐ。施設の配置では、県道側に主玄関と外来部門、東側に救急部門を配置。前面道路(県道15号線)側に院内保育所、院外薬局を配置し、利便性を確保する。駐車場は外来及び職員駐車場として450〜500台を確保する。
施設は、救急医療センターと精神科医療センターの一体的整備により、身体・精神科合併救急患者について、迅速かつ適切な医療を提供するとともに、防災棟やヘリポートの整備により、迅速な搬送を実現。また、精神保健福祉センターとの連携により隙間のない精神保健福祉サービスを提供する、などの特徴を持たせる。