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建通新聞社
2019/10/24

【大阪】全建と国土交通省 近畿ブロック会議開く

 全国建設業協会(近藤晴貞会長)と国土交通省との2019年度近畿ブロック会議が10月21日、大阪市内で開かれた。近畿ブロックの各建設業協会で構成する近畿建設業団体協議会からは@公共事業予算の安定的・持続的な確保と国土強靱(きょうじん)化予算の継続A地元建設企業への受注機会の確保・拡大B働き方改革における担い手確保とi―ConstructionC新担い手3法の推進D設計・積算および施工E災害協定―について要望した。また、近畿ブロック特有の課題として、大阪・関西万博の関連整備を円滑に進めるための早期の情報開示などを求める声も上がった。
 国土交通省の林俊行建設流通政策審議官は「21年度までの『3か年緊急対策』以降が国交省にとっても大事な予算編成となる。過去にない災害が頻発する中、必要な予算額を中長期的に確保するために全力で取り組む」と述べ、井上智夫近畿地方整備局長は「安全対策、交流促進のための基盤づくりのためのインフラ整備はまだまだ。特に大阪、関西ではインバウンド需要や大阪・関西万博により、関西経済を大きく発展させるためのインフラ整備を着実に進めたい」とあいさつした。
 提案議題について、国交省からは「20年度の予算要求の総額が10年ぶりに7兆円を超えた」「設計労務単価を7年連続で引き上げている」「新担い手3法について、改正品確法に基づく運用指針の骨子案、作成案の2段構えで各自治体や建設業団体などからの意見を集めており、年内をめどに運用指針案を作成して周知を図る」ことなどを説明。各ブロックの意見を踏まえ、「社会資本の担い手」「地域の守り手」としての地域建設企業の存在を認識しながら受注機会の拡大などにつながる施策に取り組むことや、運用指針の市町村レベルへの浸透に努めるとした。
 この他、幹事協会を代表してあいさつした大阪建設業協会の蔦田守弘会長は「開催が決まった大阪・関西万博に関連するインフラ投資の拡大が見込まれる他、なにわ筋線、リニア中央新幹線などビッグプロジェクトが今後目白押しとなるのは明るい兆しだ」と近畿ブロックの状況を説明しながらも、大型工事が集中する中で「円滑な施工ができるかどうか不安を感じている意見がある」と建設業界側の声を届けた。
 特に万博関連については、インフラ整備と会場整備、同じ夢洲内への誘致を目指しているIR(統合型リゾート)施設の整備が同時期に集中し、さらに開業、開幕に合わせた厳しい工期設定や技能工不足など労働時間規制などへの影響、生コン工場の設置、全国から集まる建設作業員の宿舎の確保など、今後想定される課題を指摘した。
 このため、今後のスケジュールなどについて少しでも早い情報開示、適正な工期設定や適切な予定価格の算出などについての指導、集中する工事を円滑に施工するために発注者間や建設業界と調整する場の設置などを求めた。

提供:建通新聞社